大手メーカーと都内中小企業とのオープンイノベーションによる技術連携等のマッチング実現をサポートする「新技術創出交流会 製品展示会」(公益財団法人東京都中小企業振興公社主催)が9月18~19日、パレスホテル立川(東京都立川市)で開催された。12回目の開催となった今回は、約200近い企業や大学・研究機関が参加する中、ゴム関連企業も優れた製品・技術を紹介した。
◇中野製作所
接着剤を使わずに、架橋反応でゴムと樹脂を強固に結合する複合材「ラジカロック」をメインに紹介した。ブースでは、ラジカロックが採用されているランニングシューズのソールや電化製品の各種部材を展示。同社では、今後もラジカロックを始め、樹脂異材結合技術「アキロック」金属・樹脂接合技術「ディーランプ」など既存技術のさらなる用途の広がりに向け、展示会などを契機にお客様との接触を増やしていく考えだ。
◇江北ゴム製作所
初出展となったブースでは、ゴムを始め多彩な加工技術で開発した防振ゴムやジャバラゴム、D型ダンパーなどを数多くの製品をPRした。同社はゴムの困りごと解決集団!をモットーに、試作から量産品まで幅広く対応するとともに、配合を自社設計することで、開発段階からの提案も可能。顧客の困りごとは「なんでもトライする」というスタンスで対応し、取引先も着実に広がっているという。
◇東商ゴム工業
初出展の同社は、開発中の「ゴムスポンジローラー」や低温加硫シリコーンゴム「フリーゴム」などを出品した。ゴムスポンジローラー材料はシリコーンゴムやEPDM、ブチルゴムなどにも対応するほか、他社のスポンジと比べより粘着性がある点も特徴だ。なお、これら製品を手掛ける同社横芝工場(千葉県山武郡横芝光町)は18日現在、台風15号による停電で操業停止となっているが、「電力は20日までに復旧できる見込みで、電力復旧とともに操業を再開するとしている」(末永大介社長)。
◇サンアロー
樹脂ゴム部品製造の総合受託メーカーの同社は、「カーボンクロスのインサート成形」を前面にアピールした。カーボンクロスのインサート成形では、カーボン素材と樹脂とゴムの両方で一体成形が可能。また、成形後の加飾もできるため、繊細な意匠を求める自動車用の部材などで採用を期待。すでに、Gショックのロゴ部分にカーボンと樹脂のインサート成形が採用されているとのことだ。
◇ハタダ.
工業用精密ゴム製品の一貫生産を強みとする同社は、医療関係や航空機関係、工業用ロボット・OA機器など特殊特性が求められるゴム部品を展示した。航空機関係では、ライフジャケット収納キーやテーブルタップを製造するとともに、ボーイング社のジェット旅客機「787」の窓シェード(カーテン)も国内で唯一受託生産している。同社独自の技術を武器に、多種多様な業界の要求に応えられる点をアピールした。