カネカ 人工毛髪用繊維の特許侵害で主張採用

2013年11月12日

ゴムタイムス社

 カネカは、同社が韓国と米国の企業を相手方として提起していた、同社が所有する難燃性ポリエステル系人工毛髪用繊維に関する特許侵害訴訟について、5日に一審判決で同社の主張が全面的に採用されたと発表した。
 同社は、韓国のUNO&COMPANY,LTD.及び米国のJBS HAIR, INC.とJinny Beauty Supply Company, Inc.を相手方とし、同素材に関する米国特許第775万9429号と775万9430号に基づく特許侵害訴訟を、米国テキサス州北部地区連邦地方裁判所に2010年7月20日(米国中部標準時間)に提起していたが、2013年11月5日(米国中部標準時間)、総額約600万米ドルの損害賠償を同社に支払うよう被告らに命じる判決があった。
 訴訟の経過としては、2010年7月20日に訴訟提起、2013年6月28日に陪審評決が行われた。JBSとJinny Beauty Supplyは対象製品のすべてにおいて、同社の特許を侵害していると認められた。また、UNOは、対象製品のすべてにおいて、JBSとJinny Beauty Supplyを含む輸入業者の少なくとも一部に対して、同社の特許の侵害を誘引していると認められた。被告は同社の特許の無効を立証することができなかった。
 同社は、UNOの特許侵害によって550万米ドルの逸失利益に相当する損害を被り、また、被告によるそこに含まれない製品の販売について、10%の料率で計算される実施料に相当する損害を被った。
 一審判決として、裁判所は陪審評決に従い、同社がUNOから受け取る逸失利益相当分および実施料(10%)相当分の損害賠償金を584・5万米ドル、JBSから受け取る実施料(10%)相当分の損害賠償金を5・8万米ドルと裁定。これらの損害賠償金の計算に含まれていない2013年以降の侵害品販売により被った追加の損害額を算出するために、同社は2013年1月1日から同年11月5日の期間の売上計算書を被告3社から受け取る権利を有するものと判決した。同社が支払った裁判所費用は、被告の負担となる。
 一審判決では同社の主張が全面的に認められているが、今後の進め方は米国弁護士との相談を経て決定する。なお、同判決に不服がある場合は連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)への控訴が可能であり、同社は今後の進展について必要に応じて発表するとしている。

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