ベルト3社の4~9月期 販売堅調も円高が収益に響く 地域別がまちまちで3社3様に

2016年11月28日

ゴムタイムス社

 ベルトメーカー3社の17年3月期第2四半期決算が出そろった。為替円高が進む中で、国内では自動車用ベルトの減少に加え、一般産業用が低調に推移した。海外では、アジアで二輪車用、農業機械用などが伸長したものの、中国のOA機器用や資源国向けコンベヤは不振だった。その結果、3社のうち2社が減収となった。収益面では、原材料価格の低下が増益要因となった一方で、円高の影響が減益要因となった。こちらも、3社のうち2社が減益となり、全体として3社3様の中間決算となった。

〈バンドー化学〉
 バンドー化学の17年3月期第2四半期連結決算は、売上高が主に円高により、438億1300万円で前年同期比9・0%減。営業利益は28億5500万円で同2・2%減となり、減収減益だった。減収幅に比べ、減益幅が小さかったのは、販管費の減少に加え、ナフサ価格やガス・電気・燃料費の低下、不良・ロスの低減・削減、コンベヤベルトの選別受注などにより、売上原価率が良化したためである。

 なお、同社は前期より、従来の「ベルト事業」「エラストマー製品事業」の2事業本部体制から、「自動車部品事業部」「産業資材事業部」「高機能エラストマー製品事業部」の3事業部体制に再編している。

 自動車部品事業の売上高は、198億1100万円で同8・3%減。全体では現地通貨ベースで売上高を伸長させたが、円高の影響により減収となった。営業利益は円高の影響もあり12億6400万円で同18・5%減となった。

 国内では自動車生産台数が前年度を下回った影響により販売が減少した。海外では、中国、タイでの自動車用部品およびタイ、インドおよびベトナムでの二輪車用部品の販売が増加した。全体では現地通貨ベースで売上高を伸長させたが、円高の影響により減収となった。

 産業資材事業の売上高は、158億6600万円で同11・1%減。営業利益は原価低減活動の徹底と収益性を重視したことなどにより12億600万円で同9・0%増となった。

 一般産業用伝動ベルト製品の分野では、中国、タイでの農業機械用伝動ベルトの販売が増加したが、国内での設備投資需要の低迷の影響で販売が減少し、全体で販売が減少した。運搬ベルトの分野では日本、中国およびアセアン地域での軽搬送ベルトの販売が増加したが、鉄鋼用および資源開発用のコンベヤベルトの販売が減少した。

〈三ツ星ベルト〉
 三ツ星ベルトの17年3月期第2四半期連結決算は、為替の影響を受けて売上高が332億1800万円で同4・5%減。営業利益は45億1300万円で同7・2%増となり、減収増益となった。また、中間期では過去最高の営業利益を更新した。売上高減少の影響が5億円の減益要因となったものの、原材料価格の低下影響が3億円、原価低減が2億円、労務費・人件費の影響が1・5億円、その他コストの影響が1・5億円の増益要因となり、差し引き3億円の増益となった。ただし、円高による為替差損の影響で、経常利益は41億300万円で同10・0%減となった。

 ベルト事業合計の売上高は285億5100万円で5・1%減となった。内訳を見ると、食品向けを中心に好調に推移した搬送用ベルトが売上高15億8900万円で同4・4%増となった以外は、前年同期実績を下回った。

 自動車用ベルトは東南アジアにおいて四輪・二輪の補修需要が増加したものの、国内の組み込みライン用がベルト非装着車種の影響もあり微減となったことなどから、売上高は141億2200万円で同3・5%減となった。

 一般産業用ベルトは、中国において農業機械⽤の需要が伸長したが、国内で金属製品の売上が減少し、売上高は98億4800万円で同7・4%減となった。

 OA機器用ベルトは、ATMの中国市場向け輸出が減少し、売上高は14億円で同15・3%減となった。合成樹脂素材は、半導体・液晶製造装置関連は堅調だったものの、一部の仕入商品の販売が減少したことから、売上高は15億9200万円で同2・1%減となった。

〈ニッタ〉
 ニッタの17年3月期第2四半期連結決算は、売上高が319億8700万円で同0・3%増。損益面では、継続的な生産性改善の効果はあるものの、中期経営計画達成のための先行コストや為替の影響もあり、営業利益は24億9500万円で同1・1%減となり、増収減益となった。経常利益については、持分法適用会社の業績が為替の影響等からやや低調となり、48億4100万円で同17・7%減となった。

 ベルト・ゴム製品事業のうち、ベルト製品は、国内では紙工業界や物流業界向けは前年度に引き続き堅調に推移した。海外では、米国で郵便機器向けが堅調だったが、中国で金融機器向けや繊維機械業界向けが低調に推移した。ゴム製品では、工作機械用シール製品の需要が低調だった。

 以上の結果、ベルト・ゴム製品事業の売上高は123億7100万円で同0・4%増、営業利益は12億7000万円と同6・0%増となった。

ベルトメーカー3社の業績
単位・百万円
会社名売上高増減率%営業利益増減率%
バンドー化学43813-92855-2.2
 (自動車部品事業)19811-8.31264-18.5
 (産業資材事業)15866-11.112069
三ツ星ベルト33218-4.545137.2
 (国内ベルト事業)13488-13254-8.9
 (海外ベルト事業)15063-8.4205619.6
ニッタ319870.32495-1.1
 (ベルト・ゴム製品事業)123710.412706
※2017年3月期第2四半期決算から
全文:約2072文字

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