2016年のゴム業界をめぐる事業環境は、国内市場は業種や取引先によって違いはあるものの、全体としては依然として低調だったと言える。一方、米国市場は堅調を維持し、中国市場は小型車を対象とするエコカー減税の影響もあり、自動車業界は好調を維持、アジア市場では二輪車や産業機械、農業機械などが好調で、こうした産業に関わる企業は海外で販売を伸ばした。ただ、円高の進行により売上高ではマイナスとなる企業が多く、原料価格安が増益に結び付く一方、売価の減少により減益となる企業もあった。こうしたことから、北米・メキシコを始め海外への進出が継続。また、新興メーカーの台頭もあって世界的に競争が激化していることから、原料メーカーの再編も相次いだ。
▼上場ゴム企業の16年3月期は8割が増益
主要上場ゴム企業23社の2016年3月期連結決算(日東化工は非連結)は、円高の影響もあって増収企業数が15社(65%)に留まり、前期に比べ6社減った。
▼原料メーカーの再編相次ぐ
新興国メーカーも含めた原料メーカー各社の生産設備の増強により、世界的に合成ゴムや樹脂などの原料市場の競争が激化する中で、原料メーカーの再編が相次いだ。
▼北九州で「国際ゴム技術会議」を開催
「2016年国際ゴム技術会議(IRC2016北九州)」が