住友ゴム工業は12月2日、都内で最先端材料開発の取り組みに関する説明会を開催し、タイヤ材料の2つの基幹技術である新材料と高機能バイオマス材料開発を紹介した。
最初に村岡清繁執行役員材料開発本部長が技術開発と成果の概要を説明した。
村岡執行役員は、新材料については昨年完成させた「アドバンスド4Dナノデザイン」により、低燃費性能・グリップ性能・耐摩耗性能という、3つの相反性能を大幅に向上させる材料開発が可能になったとし、同デザインにより開発した「ストレスコントロールテクノロジー」を初めて採用した「エナセーブNEXTⅡ」を11月に発売したことを紹介した。
2つ目のテーマである高機能バイオマス材料については、世界初の100%石油外資源タイヤ「エナセーブ100」で培ったバイオマス技術をさらに進化させ、高機能バイオマス材料の開発を進めた結果、「創生高機能第1世代」として、化石資源由来よりも性能を高めた軟化剤「しなやか成分」の開発に成功。8月に発売した「ウィンターマックス02」で採用したと述べた。
同社では今後、さらに安全性・快適性・経済性を向上させる「創生高機能第2世代」に向かって同技術を進化させていくという。
また、天然ゴム自体の研究開発にも力を注いでおり、今まで解明できなかった天然ゴムの生合成機構と末端基構造を明らかにし、10月の「国際ゴム技術会議北九州」で発表したことにも触れた。
続いて石田博一材料企画部長がそれぞれの技術を説明した。
このうち、新材料開発については、3つの相反性能を向上させるためには摩耗現象のメカニズムを解明し、コントロールすることが必要だったと指摘した。
それを実現したのが、アドバンスド4Dナノデザインにより開発したストレスコントロールテクノロジー。エナセーブNEXTⅡにその一部を採用した結果、ラベリング制度の最高グレードを達成するとともに、耐摩耗性能をエナセーブNEXTに比べ51%向上させることができたとして、同テクノロジーを詳しく解説した。
石田部長によれば、摩耗性能を向上させる上でカギとなったのは、