東洋ゴム工業は12月16日、自動車用タイヤの製造拠点である仙台工場(宮城県岩沼市)で、使用する熱エネルギー源を今後、石炭・重油から天然ガスに転換する設備の導入を進めていくと発表した。
同工場は、1962年から自動車用タイヤの製造拠点として、半世紀以上にわたり事業活動を続けている。これまで同工場では、タイヤ生産で使用する熱エネルギー燃料として石炭と使用済みタイヤの混合燃焼と、重油燃焼により工場で使用する蒸気と電気をまかなうコージェネレーションボイラー設備を活用してきた。
今回、石油資源開発による、相馬LNG基地(福島県新地町)から宮城県岩沼市へのガスパイプライン敷設計画が具体化し、同工場の所在するエリアも含め、天然ガスインフラが整備されることになった。
同社はこれを機に、工場の各設備に供給する熱エネルギー設備として、天然ガスを利用した高い効率の熱利用が可能なガスタービンの導入を決定した。
天然ガスは、燃焼時に大気汚染や酸性雨の原因となるSOx(硫黄酸化物)が全く排出されないほか、光化学スモッグなどの原因となるNOx(窒素酸化物)や温室効果ガスであるCO2の排出量も少なく、石膏汚泥、フライアッシュなどの各種廃棄物発生の抑制も実現できる。
地球環境保護の観点から、温室効果ガスを自然界で吸収できる範囲内にとどめる低炭素社会の実現に向けて企業は一層の努力が求められている。
同社は、国内生産拠点における二酸化炭素(CO2)排出量を「2020年度末までに15%削減(2005年度比)」を目標に掲げ、各生産拠点でさまざまな取り組みを進めている。