日本ジョイントはこのほど、ソビジェット洗浄機を発売した。
近年、地球温隠化に関する問題が注目されてきており、産業洗浄分野での水質規制及び大気汚染規制が強化されつつある。
産業洗浄分野で長年にわたって使用されてきた、洗浄液エタン(1・1・1・卜リクロロエタン)及びフロン(CFC―113)が、成層圏オゾン層保護のため、1996年から全廃となり、CFC(塩素・フッ素・炭素化合物)に代わるフッ素系溶剤であるHCFC(水素・塩素・フッ素・炭素化合物)も、2020年までには全廃されることが決まっている。
また、この時期は今後、早まる可能性がある。これらの環境規制に対応すべく開発されたのがソビジェット洗浄機だ。
特長として、圧縮空気、水、メル卜ロンの3つの媒体を使用していること、非常に低い圧力(0・3~0・4MPa)で洗浄可能であること、メルトロンは食品にも使用されている食品添加物のため、環境・人体に優しいことが挙げられる。
メルトロン(重炭酸ナトリウム)は粒子径250~500μ、固体白色で無毒。非腐食性・高い脱脂力・水溶性などの特性を持つ。発生する汚れのほとんどは酸性であり、重炭酸ナトリウムの水溶液は弱アルカリ性なので、酸性と混ざると中和反応が起きて表面の汚れが落ちやすくなる。また、鉱物の硬さを表すモース硬度が2・0と柔らかいため、対象物表面を傷つけることなく洗浄できる。
ソビジェットの洗浄原理は、メルトロンの粒子による衝撃(ブラスト)洗浄である機械的作用が80%、メルトロンが水に溶解して、弱アルカリ性の効果で汚れを浮かす化学的作用が20%。
導入メリットとして、これまで手作業で掛かっていた洗浄時聞を大幅に短縮でき、作業者の疲労を軽減することができる点、従来必要とされていた作業者の人数を削減することができ、コストダウンを図ることができる点、その他、対象物表面を傷つけないので、対象物の長寿命化などが挙げられる。