ブリヂストンは12月20日、彦根工場(滋賀県彦根市)で三枝幸夫執行役員タイヤ生産システム開発担当や井上和明彦根工場長らが出席し、2月から同工場に導入している新しいタイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」を報道向けに初めて公開する見学会を開催した。
同社は2002年に部材工程から製品検査工程までを全自動化した「BIRD(バード)」を開発するなど、高性能タイヤの開発、品質向上に向け、ICT(情報通信技術)や最先端技術を導入したタイヤ生産システムの研究、開発を進めている。
同社によると、エクサメーションの構想が持ち上がったのは2008年ごろから。開発に至った背景は、先進国で労働力人口が減少していることや、新興国での人件費上昇に伴う労働力の確保が難しくなっていることなどを挙げた。エクサメーションについては同社独自のICTに新たに人工知能(AI)を実装した新しいタイヤ成型システムとなっており、品質向上、高生産性、自動化によるスキルレスの3点が主な特長である。
品質向上では、タイヤ1本あたり480項目の品質データをセンサーで計測し、それぞれ部材が最適条件で組み立てられるようにリアルタイムで自動制御するAIを実装。これにより、従来の製法に比べて真円性(ユニフォミティー)が15%向上した。
高生産性については、複数のドラムを配置したマルチドラム製法を採用し、各部材の貼り付け動作を同時に行う。これにより、新システムの生産能力は既存の成型機を使った成型工程に比べて