ブリヂストン タイに航空機用タイヤ工場建設

2016年12月29日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは12月22日、航空機用タイヤソリューションの海外拠点として、新品タイヤとリトレッドタイヤの新工場をタイに建設すると発表、同日、航空機用タイヤソリューション事業における事業説明会を開催した。

 投資額は総計約150億円で、両工場ともに2019年12月に生産を開始する。

 事業説明を行った執行役副社長グローバルソリューション事業管掌の石橋 秀一氏は、タイに新工場を建設する理由について「BCPの観点から日本以外に拠点を作るため、既存タイヤ工場のインフラを活かす形で建設ができるため、物流拠点として東南アジア全体、インド、オセアニア、一部中東までカバーできるため」などの3点を挙げた。

 航空機用タイヤの製造拠点は、新品タイヤ製造工場として日本国内に、久留米工場、東京AP製造所の2ヵ所、ビジネス拠点およびリトレッドタイヤ製造拠点として米国、中国、香港、ベルギーに、これにタイ工場が加わることにより合わせて6拠点となる。

 今後の供給体制については「航空機用タイヤの新品タイヤ工場は久留米工場と東京AP製造所、タイ工場の3拠点となる。今後はそれぞれ三分の一ずつの生産規模にし

ていきたい」と説明した。

 同社は現在、大型・中型・単通路機やリージョナル機などの機体メーカー各社と国内外のエアラインに航空機用タイヤを納入している。今後は、現在参入していないビジネスジェットなどの小型機の領域にも参入していく。既に、リージョナル機であるMRJには100%納入している。

 同社の調査によると、航空機は2015年時点で全世界に約2万機あるとしているが、今後は単通路機の機体数の増加が見込まれることから、2035年には航空機数は3万8千機に達すると予測している。

 地域別でみると、2015年時点での最大の航空機タイヤ市場は米国だが、2035年には、中国・アジア地域が大きく伸長すると見込んでいる。

 また、今後、製造される新型機には従来型のバイアスタイヤではなく、ラジアルタイヤの採用が進むとし、同社の「RRR」技術を採用したラジアルタイヤは、ベルトが高強力化されており、より壊れにくく、軽く、長く使用することができるなどの他社にはない特徴があるため、市場で強みを発揮できるとしている。

 RRR技術採用のラジアルタイヤは、バイアスタイヤと比べて、同様の使用期間でリトレッド回数は半分で済むなどのメリットもある。

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