住友理工は12月22日、インド北部にあるラクナウ市において12月1~3日の日程で開催された「InnoRail India 2016(第2回鉄道・メトロ・モノレール技術革新展示会・会議)」に出展し、同社の鉄道車両向け防振技術を紹介したと発表した。
インドでは、2023年に開業を予定する同国初の高速鉄道の建設にあたり、日本の新幹線方式の採用がすでに決定。今回の「InnoRail India 2016」では、日本の最先端の鉄道技術を紹介する「ジャパンパビリオン」が設置された。
同社は、ジャパンパビリオン内の総合商社CBCのブースにおいて、日本の新幹線などに採用されている鉄道車両向け防振技術の紹介と製品サンプルの展示を実施。また、会場で行われた「日本鉄道シンポジウム」では、同社の最新技術に関するプレゼンテーションを行った。同社の鉄道車両用防振ゴムは、新幹線や国内外の鉄道車両の台車部分に取り付けられるもので、車両の振動を低減することが可能となる。また、コアコンピタンスである「高分子材料技術」によって生み出された独自開発のゴム材料により、長寿命・高耐久性を兼ね備えており、過酷な使用環境においても振動を十分に低減できることをインドの鉄道関係者に向けて提案した。
同社が鉄道車両用防振ゴムの開発に参入した歴史は古く、東海道新幹線が開業した頃まで遡る。世界トップシェアを誇る同社自動車用防振ゴムのノウハウから生まれた鉄道車両用防振ゴムは、繰り返しの振動や過酷な環境にも耐え、国内だけでなく海外の高速鉄道にも採用されている。
同社では、今後インドをはじめ、これから高速鉄道を整備する国や地域に向けて、これまでに培ってきたノウハウを生かした提案を積極的に行い、鉄道インフラの発展に貢献するとしている。