日本ゼオンは中期経営計画「SZ―20」で、ありたい姿として連結売上高5000億円を掲げている。同計画最後の3ヵ年のスタートの年となる17年への意気込みを、田中公章社長に聞いた。
◆16年を振り返って
上期(4~9月期)は円高にかなり苦しめられた。エラストマー素材事業は為替に加え、天然ゴム・ブタジエン・ナフサの価格が低位安定したことから、国内外で合成ゴムの市況が悪化した。
高機能材料は、リチウムイオン電池用バインダーが拡大できた。フィルム・レンズ向け樹脂はほぼ期待通りだった。大型テレビのデマンドが強く、下期に継続している。ただ、市況の影響を受けやすいスマートフォン向けフィルムは波があった。
米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選後、米国の長期金利が上昇し、それに伴い円安が進行するとともに株価が上昇した。また、天然ゴムとブタジエン価格も上昇しており、当社にとっては良い状況になった。不安定な面はあるものの、現状の傾向が続くことを期待している。
◆SSBRについて
SSBRの生産能力は、
全文:約1566文字