ブリヂストンは1月10日、今年の夏タイヤ新ラインアップ発表会を開催し、新製品として「エコピアNH100シリーズ」を発表した。
エコピアの第3世代となる製品で、摩耗してもウェット性能が低下しにくいことが特長。2万km走行時のウェットブレーキ性能低下比較では、同社ベーシックタイヤ「ネクストリー」に比べ30%の低下抑制を実現した。
2月から国内で順次発売する。サイズはセダン・クーペ専用の「NH100」が21、ミニバン専用の「NH100RV」が19、軽・コンパクトカー専用の「NH100C」が27の計67サイズとなる。
発表会では、最初に檜垣徹ブリヂストンジャパン執行役員・消費財タイヤ事業統括本部長が登壇し、新製品開発の背景に触れた。
同社が行った補修用タイヤの市場調査によれば、過半数の消費者が新車装着タイヤより性能が劣るタイヤを選んでいる可能性がある。
しかし、自動車の性能を発揮するためには、新車装着タイヤを基準に補修用タイヤを選ぶべきだと檜垣執行役員は強調し、それを同社では「ちゃんと買い」という言葉で表現していることを改めて紹介した。
また、ウェット性能が
次に、草野亜希夫同社タイヤ開発第3本部長が新製品の説明を行った。
草野本部長は、まず車両の進化に伴い新車用タイヤも進化していることから、補修用タイヤも進化する必要があり、エコピアNH100シリーズを上市することになったと説明。新製品はエコピアに求められる低燃費性能とウェット性能に加え「新たに開発した性能低下抑制性能を有した新しいコンセプトのタイヤとなっている」と述べた。
技術面では、ウェット性能と摩耗性能を向上させるため、新パタンとして「V字サイプ」「T字サイプ」「チャンファリング」「ラウンドリブエッジ」を開発した。
これら基盤技術に加え、ミニバン向けには「大型ショルダーブロック」「3DM字サイプ」を搭載、軽・コンパクト向けには幅狭タイヤに対応するため剛性分布の最適化を実施して、それぞれ摩耗性能をさらに向上させた。
また、低燃費・ウェット性能・摩耗ライフを高次元で実現するため、効きが長持ちする新配合の「エコ効きもちゴム」を採用した。
同ゴムは、従来の「ウェット向上ポリマー」でウェット性能を向上させるとともに、新たに開発した「低転がり性能特化ポリマー」「サステナブル分散性向上剤」を配合することで低転がり化を達成、「微粒径シリカ」の設計により摩耗性能を改良した。
さらに、トレッド剛性を最適化する「剛性コントロールシート」、設置形状変化を最適化する「耐摩耗最適化形状」を搭載し、走行に伴うパタン性能の変化を可能な限り少なくすることで、ウェット性能が変化しにくいタイヤとした。
これにより、新品性能として、ネクストリーに比べ転がり抵抗を16%軽減、摩耗ライフを30%向上するとともに、2万km走行時の性能低下を30%改善することができた。
最後に綾瀬はるかさんが登壇し、綾瀬さんを起用した新TVCMの発表とトークショー、実演販売士のナックル井上氏がタイヤ販売店の店員、綾瀬さんがタイヤの購入に訪れた客という設定による寸劇が行われ、「ちゃんと買い」の重要性を分かりやすく紹介していた。