横浜ゴムは1月12日、2017年に創業100周年を迎えることを記念し、今年秋に日本において同社の歴史的ヒット商品「アドバンHFタイプD」を復活させ、ヒストリックカー向けタイヤ市場に参入すると発表した。
ヒストリックカーは主に数十年以上前に製造された車両で、その歴史的価値や現代にないデザイン、操作感などに惹かれ所有する愛好家が多く存在する。その一方で、製品性の時代的変化や需要の衰退、タイヤに対する法規や技術規格の規制などから、現在の市場では適切な補修用タイヤの購入・確保が難しくなっており、ヒストリックカーユーザーから製品開発の要望が挙がっていた。
「アドバンHFタイプD」は1981年発売。サーキットレースで使用されるレーシングスリックタイヤに、ディンプルを施したトレッドデザインが片側に採用された斬新な製品性と、優れた走行性能で高い評価を得た。後にポルシェ社のスポーツモデルに新車装着されるなど、1980~1990年代に国内外でYOKOHAMAの名を高めた商品のひとつ。同社はヒストリックカー市場に向け、モータースポーツの側面から深く関わり、時代を牽引してきた商品のひとつである同製品を復活発売し、愛好家の要望に応える。
今回復活する「アドバンHFタイプD」は、1981年発売のオリジナル製品のデザインを再現。2017年1月13日から幕張メッセ(千葉市)で開催される「東京オートサロン2017」の同社ブースにおいて、現在開発中のプロトタイプを参考出展する。展示サイズは195/70R14・91H。
今後、市場からの要望を踏まえた拡大開発を計画しており、国内や欧州のモータースポーツに関係が深いヒストリックカー向けの小外径幅広サイズなどを想定している。また「東京オートサロン2017」で、ヒストリックカー向けに要望するタイヤサイズのアンケートを実施する。