川口化学工業の2016年11月期の連結決算は、売上高が64億3400万円で前年同期比2・6%減、営業利益は9400万円(前年同期は900万円の利益)、経常利益は8500万円(前年同期は300万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は3400万円(前年同期は4100万円の損失)となった。
なお、同連結会計年度より、売上高に係る表示方法の変更を行っており、遡及処理後の数値で前連結会計年度との比較を行っている。 化学工業薬品事業の部門別概況では、ゴム薬品の分野は、国内については、国内自動車販売や生産において、同年後半に入り前年同期比で回復傾向が見られたが、タイヤ・合成ゴムならびに工業用品の生産活動は弱い状態が継続した。このような環境の下、促進剤、架橋剤などをはじめ特殊品の販売に注力した結果、工業用ゴム製品向けについて前年を上回る売上となった。
タイヤ、合成ゴム向け薬品についても、販売に注力し数量が前年を上回ったため、国内について前年同期比で売上が増加した。
輸出については、同年後半に入り東南アジアの顧客において一部回復傾向が見られたことと、第4四半期に入り為替が円安に転じたこともあり、主力商品を中心にこの地域の受注の拡大により一層努力した結果、前年同期比で販売数量を伸ばした。しかし、為替が昨年に比較し通年では円高で推移したことから、売上は前年同期比で減少となった。この結果、同部門合計の売上高は39億3100万円で同1・6%減となった。この結果、同部門合計の売上高は7億3400万円で同11・6%減となった。
中間体では、界面活性剤中間体は、顧客の生産が堅調に推移したことから前年並みの売上となった。染顔料中間体は、前年同期比で販売増となった品目もあったが、主要品目の生産販売が関連製品の販売減により低調であったことから、前年同期比で売上が減少した。農薬中間体は、主要品目における顧客の受注減の影響により、全体として売上を減らした。医薬中間体・機能性化学品は、品目により増減があったが、主要品目において受注獲得に注力し売上増となったことから、前年同期比で売上が増加した。この結果、同部門合計の売上高は7億800万円で同1・1%増となった。
その他の環境用薬剤は、同社納入先の需要に合わせ生産を行ったが、第2四半期の在庫調整影響と同社納入先における他社との競合により、前年同期比で売上が減少した。潤滑油向けは、国内海外向けとも販売が堅調であったことから、前年同期並みの売上となった。
新規用途向けは、新規商品の販売を開始し、既存の主要製品の売上も増加したことから、売上減の品目があったものの、全体においては前期同期比で売上が増加した。
結果、同部門合計の売上高は10億4600万円で同2・1%減となった。
2017年11月期通期の業績予想は、売上高が66億8000万円で前期比4・6%増、経常利益が1億4000万円で同83・5%増、純利益が1億円で同309・8%増を見込んでいる。