信越ポリマーの2017年3月期第3四半期連結決算は、売上高が551億9000万円で前年同期比3・1%減、営業利益は45億1500万円で同55・3%増、経常利益は47億6800万円で同36・4%増、四半期純利益は33億6600万円で同43・4%増となった。
電子デバイス事業では、自動車関連入力デバイスの出荷は好調だったが、円高の影響もあり、全体として売上げは減少し、利益も前年を下回った。入力デバイスは自動車電装スイッチの種類が増えたことに加え、搭載車種も増え、キースイッチとタッチスイッチの出荷が好調に推移した。
一方、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、パソコン市場停滞の影響などにより大きく落ち込んだ。ディスプレイ関連製品は海外販売を中心とした液晶接続用コネクターが回復基調に転じたが、コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターが高級スマートフォンの生産伸び悩みの影響などにより振るわなかった。
この結果、電子デバイス事業の売上高は139億9400万円で同7・2%減、営業利益は7億7900万円で同33・1%減となった。
精密成形品事業では低調な製品があったものの、半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として前年並みの売上げを確保し、利益を大きく伸ばした。半導体関連容器は半導体業界の高水準な需要を背景に、主力の300mmウエハー用製品の出荷が好調に推移した。OA機器用部品はレーザープリンター市場の低迷により、主要ユーザー向け現像ローラの出荷
が低調だった。
キャリアテープ関連製品は自動車電装分野向けの需要が堅調だったが、高級スマートフォン用セラミックコンデンサーなどの微細部品用製品が振るわなかった。シリコーンゴム成形品は、メディカル関連製品や建材関連製品など主力製品が安定的に推移した。
これにより、精密成型品事業の売上高は230億7900万円で同0・1%増、営業利益は33億4200万円で同44・4%増となった。
住環境・生活資材事業では、塩ビ関連製品の国内市場での需要低迷と価格競争により全体として売上げは減少したが、利益は改善した。ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向け、外食産業向け需要が停滞し、売上げは前年並みにとどまった。塩ビパイプ関連製品は、住宅着工戸数の伸び悩みにより、受注量確保に厳しい状況が続いた。
機能性コンパウンドは国内の自動車生産調整による需要減少やナフサ価格下落の影響により、売上げは減少した。外装材関連製品は荷動きが全般的に悪かったことに加えて、樹脂サイディング事業撤退による売上減少があり、前年を下回った。
こうしたことから、住環境・生活資材事業の売上高は130億1300万円で同6・6%減、営業利益は1億4400万円(前年同期は2億100万円の損失)となった。
その他の工事関連事業では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件の受注を獲得し、売上げは堅調に推移した。この結果、その他の売上高は51億300万円で同4・5%増、営業利益は2億4800万円(前年同期は3億7100万円の損失)となった。
通期の連結業績予想は当初予想から変更なく、売上高が760億円で前期比1・3%増、営業利益は53億円で同29・2%増、経常利益は50億円で同10・3%増、34億円で同7・9%増を見込んでいる。