信越化学の4~12月期 減収も営業利益は12%増加

2017年01月30日

ゴムタイムス社

 信越化学工業の2017年3月期第3四半期連決算は、売上高が9222億2800万円で前年同期比5・5%減、営業利益は1811億100万円で同11・5%増、経常利益が1850億3600万円で同8・4%増、四半期純利益は1352億3200万円で同16・2%増となった。主に円高の影響により減収となったが、各事業分野とも営業利益はプラスとなり増益を達成した。

 塩ビ・化成品事業では、塩化ビニルは米国のシンテック社が増強した生産能力を生かし、北米内外で業界を上回る販売を実現し、2桁増益を達成した。欧州のシンエツPVC社は安定した操業を続け、出荷が堅調に推移した。国内事業は国内・海外ともに販売量を伸ばし、採算が改善した。同事業の売上高は3081億6700万円で同9・1%減、営業利益は443億500万円で同21・0%増となった。

 シリコーン事業については、シリコーンは国内で化粧品向けや車載向けの出荷が好調に推移した。海外では汎用品が市場価格低迷の影響を受けたが、米国や中国、東南アジア向けの機能製品の出荷が堅調だった。同事業の売上高は1334億5100万円で同6・0%減、営業利益は316億300万円で同0・6%増となった。

 機能性化学品事業に関しては、セルロース誘導体は国内で建材用製品が振るわなかったが、医薬用製品が好調な出荷を継続した。欧州のSEタイローズ社は塗料用製品や建材用製品が総じて順調に推移した。豪州シムコア社の金属珪素は市場価格下落の影響を受けたが、出荷は堅調だった。同事業の売上高は819億6700万円で同8・2%減、営業利益は169億6600万円で同18・4%増となった。

 半導体シリコン事業では、半導体シリコンはメモリデバイス向けが底堅く推移するとともに、ロジックデバイス向けも中国スマートフォン用などの堅調な需要に支えられ、出荷は総じて好調だった。期前半に円高進行の影響を受けたが、増益を達成した。同事業の売上高は1861億1600万円で同1・4%減、営業利益は395億1500万円で同5・8%増となった。

 電子・機能材料事業については、希土類磁石は産業機器向けやハードディスクドライブ向けが振るわなかったが、ハイブリッド車をはじめとする自動車向けが堅調。フォトレジスト製品はArFレジストや多層レジスト材料が底堅く推移し、マスクブランクスは好調な出荷を継続した。LED用パッケージ材料は一部顧客での生産調整の影響を受けたが、光ファイバー用プリフォームは堅調に推移した。同事業の売上高は1388億6300万円で同0・7%減、営業利益は413億9900万円で同8・2%増となった。

 加工・商事・技術サービス事業は、信越ポリマー社の自動車用入力デバイスや半導体ウエハー関連容器が好調に推移した。同事業の売上高は736億6100万円で同4・7%減、営業利益は73億5600万円で同78・3%増となった。

 通期の連結業績予想は、直近の予想からの修正はなく、売上高が1兆1800億円で前期比7・8%減、営業利益は2250億円で同7・9%増、経常利益は2300億円で同4・5%増、純利益は1600億円で同7・5%増を見込んでいる。

 

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