横浜ゴムは1月31日、同日開催の取締役会で、山石昌孝取締役常務執行役員が、3月30日付で代表取締役社長に就任する役員人事を内定したと発表した。
野地彦旬現代表取締役社長は、取締役副会長兼アライアンスタイヤグループ(ATG)取締役会長に就任する。
山石新社長は、86年に入社して以降、その後、MD推進室長、GD100推進室長、秘書室長を経験した経営管理畑出身。ヨコハマヨーロッパ社長、経営企画本部長、タイヤ企画本部長など会社中枢部門を経て、14年に執行役員になり、現在はタイヤ管掌兼経営企画本部長兼IT企画本部担当兼ヨコハマモータースポーツインターナショナル取締役社長を務めている。
過去最大規模の買収額となるATGの買収を主導した実績が評価されると共に、経営企画、事業企画での実績、社内での厚い人望、大きな変革期に最適な人材だとの評価により選出された。
会見で山石新社長は「経営戦略、成長戦略を考えるにあたり、従来の『直線的』な成長シナリオでは勝ち抜けないのでは、という思いを強くしている。ATGや愛知タイヤ工業の買収は、直線的な成長戦略ではなく、少し軸をずらした施策と考えてもらいたい。企業経営を着実な成長基調にのせることが、私に与えられた使命だと考えている」と抱負を述べた。
野地社長は社長交代の理由について「17年はGD100のフェーズ4の最終年。その総決算が今年の予算であり、私にとってのまとめの年とした。ポストGD100、次の100年に向けては新しい体制で会社を牽引してもらう方が良いと判断した。私自身が52歳で社長に就任したことを顧み、再度若手にバトンを渡し、厳しい環境変化の中で勝ち抜く次の中期経営計画を託そうと考えた」と説明した。
ATGの会長に就任する野地社長は「売上高を2020年には1000億円まで引き上げたい。横浜ゴムの設備やノウハウとATGの合理的な組織運営を融合させ、量・コスト・質を改善していき、投資効果を最大限高めたい」と意気込みを示した。また、MB事業については「自動車をメイン