デンカの2017年3月期第3四半期連結決算は、売上高は2667億4000万円で前年同期に比べ3・9%減、営業利益は187億5900万円で同19・7%減、経常利益は174億9200万円で同19・5%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は135億5400万円で同14・6%減となった。
販売数量は増加したものの、原材料価格の下落に応じた石化関連製品の販売価格の見直しや円高による手取り減少により、売上は減少した。
利益面では、円高の影響に加え、スチレンモノマーの隔年定修や海外展開および研究開発の加速による費用増があり、営業利益・経常利益・純利益ともに減益となった。
エラストマー・機能樹脂部門の売上高は1082億4900万円で同7・2%減となった。クロロプレンゴムは、円高による手取り減少はあったが、青海工場に加え、米国の子会社デンカパフォーマンスエラストマー社が昨年11月より第2の生産拠点として事業を開始したことから、販売数量が増加し増収となった。スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂等は、原材料価格の下落に伴い販売価格を見直したことにより、減収となった。
インフラ・無機材料部門売上高は385億6600万円で同3・1%減。農業土木用コルゲート管は販売数量が増加し増収となったが、特殊混和材の販売は前年を下回り、セメントや肥料は販売数量が減少し減収となった。
電子・先端プロダクツ部門の売上高は338億6100万円で同0・4%増となった。LED用サイアロン蛍光体「アロンブライト」や電子部品・半導体搬送用部材の機能フィルムは販売数量が増加し、増収となったが、電子回路基板は販売数量が減少し減収となった。
生活・環境プロダクツ部門の売上高は580億4100万円で同1・4%増となった。医薬品では、デンカ生研の試薬販売は国内、輸出とも前年を上回り、インフルエンザワクチンの出荷は概ね計画どおりとなった。加工製品では、耐候性フッ素系アロイフィルム「DXフィルム」は販売数量が増加し増収となったが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」は円高により手取りが減少し、食品包材用シートやデンカポリマーの加工品は販売数量が減少し減収となった。
その他部門の売上高は280億2200万円で同6・9%減となった。アクロス商事等の商社は取扱量が前年を下回った。
通期の連結業績予想については、売上・利益とも下方修正した11月8日の公表値から、売上は据え置いたものの、利益は上方修正した。
売上高は3600億円で前年比2・7%減(前回予想比同一)、営業利益は250億円で同18・4%減(前回予想比4・2%増)、経常利益は220億円で18・6%減(前回予想比4・8%増)、当期純利益は170億円で12・7%減(前回予想比3・0%増)を見込んでいる。
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