東洋ゴム工業は2月7日、コンプライアンスの観点から問題行為と認められる事案が判明し、これを公表した。
同社は、15年12月に発表した「一連の問題に対する再発防止策」における各施策を推進している。今回、問題行為と認められる事案については、同社および同社ダイバーテック事業セグメントの子会社である東洋ゴム化工品の明石工場(兵庫県稲美町)が製造し、納入先1社に販売した「産業用ゴム製品(シートリング)」に関する事案である。
通常、同製品の検査では、製造部門の検査員が出荷する製品の「寸法計測(長さ、径)」、「硬度測定(ゴムの硬さ)」を行なっている。
今回の問題行為は、納入先に提示している回数(頻度)の製品検査を実施せず、また、未測定であるにもかかわらず、検査成績表の項目欄には過去の合格データを転記する行為。
なお、同社は不合格データを合格データに改ざんしたものではないとしている。
同社は「再発防止策」の取り組みの一環として、新たに採用した相互チェックを実施している。その中で、1月31日に明石工場に駐在する同社の品質保証本部員である審査員が出荷予定の製品検査のエビデンスデータを審査中、特定の担当検査員によって記載された検査成績書の項目(寸法データ)の数ヵ所において、過去データと酷似した数値があることを発見。データ転記の疑義を持ったことで明らかとなった。
同社は、国土交通省ならびに経済産業省に対して、同事案をすみやかに報告。また、この事態を重く受け止め、今後、然るべき対処を真摯に行なっていくとしている。