クリヤマホールディングスの2016年12月期連結決算は、売上高が448億2900万円で前年同期比1・8%減、営業利益は19億8800万円で同32・9%減、経常利益は22億8600万円で同33・6%減、当期純利益は15億6600万円で同36・0%減となった。
北米事業では、昨年9月下旬のOPEC減産合意に伴う原油価格の上昇から、今後回復が見込まれるシェール・オイル&ガス市場向け販売が低迷状態だった。飲料用ホースや配管ホース、プールなどの送水に使用されるホース等の販売は堅調に推移したものの、農業市場向けホース販売が低調だったことやシェール関連先への販売軟調の影響を受け、現地通貨ベースでの売上高は対前年同期比3・8%減となった。さらに、為替の円高も影響し、売上高は195億1800万円で同13・1%減となり、営業利益は14億8400万円で同19・4%減となった。
産業資材事業では、船舶関連で、長崎で建造された大型客船の一番船工事が売上に貢献した。また、建機・農機向けの排ガス規制に対応する尿素SCRモジュール・タンクの販売が堅調に推移したことから、売上高は99億7100万円で同7・8%増となった。利益面では、2015年9月にサンエー(尿素SCRセンサーメーカー)を子会社化したことに伴い、同社グループに取込むこととなった同社営業損失と、のれんの償却などの影響により、営業利益は3400万円で同94・7%減となった。
建設資材事業では、商業施設等の床材として使用される「スーパー・マテリアルズ」(セラミックタイル)や、鉄道施設や歩道などで使用される「ブレイルタイル」(点字タイル・ブロック)などの同社オリジナルブランド製品の販売が堅調に推移したが、前期販売が伸びた鉄道施設向けの「ECOセンタン」(ノンスリップ形状のホーム先端用タイル)や、「スキマモール」(列車とホームの隙間緩衝材)では、今期大型物件の着工延期等が発生し、販売が減少したこと等から、売上高は73億3700万円で同2・5%減となり、営業利益は1億3800万円で同36・0%減となった。
スポーツ施設資材事業では、「タラフレックス」(弾性スポーツ床材:国際バレーボール/ハンドボール/テニス/卓球連盟認証品)の販売が堅調に推移した。しかし、「スーパーX」(全天候型舗装材:国際陸上競技連盟認証品)や「モンドターフ」(人工芝:国際サッカー連盟認証品)は、大型物件の受注が相次いだ前年同期ほど売上が伸びなかったことや、2020年東京オリンピック・パラリンピック関連工事が未だ本格化しなかったこと等から、売上高は20億9100万円で同17・1%減となり、営業利益は一部セグメント間の振替による販管費の減少もあり、4億3200万円で同10・6%増となった。
欧州事業では、原油価格下落に伴い、米国シェール・オイル&ガス市場向け大口径・長尺ホースの輸出販売が昨年に引き続き低迷した他、農業や鉱山採掘市場向け販売が低迷した。しかし、消防市場向けホースやノズルの販売は堅調に推移した。また、前年同期比については、前期の業績が2015年6月から7ヵ月間のみを連結に含んだ数値であるのに対し、同期は通期で寄与したことから大幅に増加しており、売上高は38億7100万円で同92・3%増となり、営業利益は2億7900万円で同27・0%増となった。
ホテル事業では、国内外の宿泊需要取込みのための積極的な集客活動や顧客サービス向上により、海外顧客向けインターネット予約販売が好調に推移した。また、宿泊客の朝食売上も好調だったことから、売上高は7億8300万円で同13・4%増となり、営業利益は2億9100万円で同37・7%増となった。
中国事業は建機顧客の増産に伴い、量産機械用部材の販売が回復基調で推移したことなどから、売上高は12億5600万円で同6・4%増となり、営業利益は2100万円となった。
2017年12月期の通期連結業績予想は、売上高が470億円で前期比4・8%増、営業利益は21億円で同5・6%増、経常利益は24億円で同5・0%増、純利益は16億円で同2・1%増を見込んでいる。