クラレの1~12月期 減収も営業利益は増加 17年通期は増収増益見込む

2017年02月16日

ゴムタイムス社

 クラレの2016年12月期連結決算は、売上高が4851億9200万円で前年同期比7・0%減、営業利益は678億2700万円で同2・6%増、経常利益は661億8100万円で同2・5%増、当期純利益は404億円で同13・0%増となった。

 ビニルアセテートセグメントの売上高は2531億7500万円で同7・9%減、営業利益は585億1700万円で同5・0%増となった。ポバール樹脂は米国新プラントが安定操業に至らず、償却費などを吸収できなかった。光学用ポバールフィルムは液晶パネルの生産調整が一段落し、販売量が回復した。水溶性ポバールフィルムは堅調に推移した。PVBフィルムは順調に推移した。EVOH樹脂「エバール」は、食品包装用途、自動車ガソリンタンク用途ともに順調に拡大した。

 イソプレンセグメントの売上高は510億8300万円で同7・1%減、営業利益は69億3400万円で同0・2%増となった。イソプレン関連ではファインケミカル、熱可塑性エラストマー「セプトン」、液状ゴムともに堅調に推移した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は自動車用途が拡大を続け、コネクタ用途は回復した。一方で、LED反射板用途は苦戦が続いている。

 機能材料セグメントの売上高は522億4600万円で同8・1%減、営業利益は46億3100万円で同16・8%減となった。メタクリルは厳しい環境が続いたが、期の終盤には販売量が回復した。メディカルは歯科材料が新製品の拡充に加え、販売面で事業統合によるシナジー効果が増大し順調に推移した。人工皮革「クラリーノ」は、為替の円高影響を吸収しきれなかった。

 繊維セグメントはビニロンの高付加価値用途が好調に推移した。加えて生活資材も「クラフレックス」を中心に順調に推移した結果、売上高は485億6600万円で同4・8%増、営業利益は59億5800万円で同45・1%増となった。

 トレーディングセグメントでは、化学品関連事業は堅調に推移したものの、繊維関連事業は一部用途を除いて低調な国内需要の影響を受けた。この結果、売上高は1194億9800万円で同0・1%減、営業利益は38億3300万円で同1・3%減となった。

 その他事業は、第1四半期連結会計期間にエネルギー材料事業が加わったことにより開発費が増加した。結果、売上高は638億3800万円で同8・3%減、営業利益は20億1700万円で同27・2%減となった。

 2017年12月期通期の連結業績予想は、売上高が5300億円で同9・2%増、営業利益は700億円で同3・2%増、経常利益は680億円で同2・7%増、純利益は420億円で同4・0%増を見込んでいる。

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