東洋ゴムの1~12月期 円高の影響で減収減益 特損計上し純損失に

2017年02月16日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業の2016年12月期連結決算は売上高が3816億3500万円で前期比6・4%減、営業利益は493億1500万円で同22・2%減、経常利益は441億200万円で同22・4%減、製品補償対策費と製品補償引当金繰入額を特別損失として計上したことで、当期純損失は122億6000万円となった。

 タイヤ事業の売上高は3038億7800万円で同6・7%減、営業利益は454億500万円で同21・7%減となった。

 新車用タイヤは国内自動車生産が低調に推移する中、同社品装着車種の販売が好調に推移したことなどにより、国内販売は販売量・売上高ともに前期を上回った。

 海外市場でも新規に獲得した車種の販売が好調に推移し、販売量・売上高ともに前期を上回った。

 この結果、新車用タイヤ全体では、販売量・売上高ともに前期を上回った。

 国内市販用タイヤについては、国内市場では業界全体の販売が低調に推移する中、商品ラインの拡充による拡販に努めたことで、夏タイヤ・冬タイヤの販売が好調に推移し、販売量は前期を上回ったが、売上高は前期並みとなった。

 海外市販用タイヤについては、米国市場で市場競争が激化する中、トーヨー・ブランドのライトトラック用主力ブランドである「オープンカントリー」シリーズに「C/T」と「Q/T」のラインアップを追加したことや、同社が強みとするオフロードカテゴリーの高インチサイズをラインナップしたニットー・ブランドの新商品「リッジグラップラー」などの販売が好調に推移したことなどにより、販売量は前期を上回った。

 欧州市場では、販売チャネルの整備・拡大を積極的に行うことで、販売量は好調に拡大した。

 この結果、海外市場全体の販売量は前期を上回ったが、円高基調などにより、売上高は前期を下回った。

 ダイバーテック事業の売上高は775億300万円で同5・5%減、営業利益は37億7900万円で同4・5%減となった。

 輸送機器分野のうち、自動車用シートクッションでは新規受注品が好調に推移したが、自動車用防振ゴムでは同社品装着車種の販売減少や、年央に円高基調に振れた影響を受け、全体の売上高は前期を下回った。

 鉄道車両用空気バネ・鉄道車両用防振ゴムでは、国内新車市場・海外新車市場向けへの販売は好調だったが、国内補修市場向けへの販売が低調だったため、売上高は前期を下回った。

 断熱・防水資材分野のうち断熱資材分野では、農畜舎向け資材で大型物件の販売が減少したことなどにより、売上高は前期を下回った。

 防水資材分野については、主力のゴムシート防水材の需要が低調だったこともあり、売上高は前期を下回った。

 産業・建築資材分野に関しては、産業・建築資材分野で標準防振ゴムなどの販売が好調だったが、道路資材で公共事業での受注が低調だったため、売上高は前期を下回った。

 17年12月期の連結業績予想については、売上高が3950億円で同3・5%増、営業利益は470億円で同4・7%減、経常利益は425億円で同5・9%減、当期純利益は250億円を見込んでいる。

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