東海カーボンは2月16日、同社本社で決算説明会を開催し、18年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「Tー2018」の進捗状況を報告した。
長坂一社長は、中計フェーズ1を振り返り、営業利益で16年が11億円に対し17年は52億円を計画していると説明した上で「16年と17年の利益差は41億円で、この6割弱が構造改革の成果や在庫の大幅な削減が寄与し、利益はV字回復になっていく計画だ」との考えを示した。
また、中計の目標ROIC8%以上の数値目標については、フェーズ1で取り組んだ収益率の回復、固定資産の削減、在庫削減などにより、フェーズ2はROIC6%超えると予測した。
さらに、フェーズ1の「事業再構築」と「社内意識改革」を中心とした構造改革では、当初の予定通り全て取り組んだとし、内部意識改革は残りの中計で継続していくという。
また、フェーズ2では収益性改善、事業領域拡大、M&Aの3つの成長戦略を進めていくとした。そのなかで、カーボンブラック事業については、事業領域を拡大するために、高補強カーボンブラックと大粒カーボンブラック開発推進によるタイヤ向け・ノンタイヤ向け市場の開拓、グループ最大規模のタイ拠点を活用したタイ・インドなど東南アジア市場への積極展開、水性カーボンブラックのプラント増設と販売拡大によるインクジェットプリンター用インク市場への展開などを挙げた。
新事業成長のひとつでもある水性カーボンブラックについて、長坂社長は「水性カーボンブラックは、既存工場の生産量では足りない状況。年内に知多工場内に水性CB専用工場の建設を決めている」と述べた。
フェーズ2以降の方針として、基本方針は事業規模拡大による収益拡大を掲げ、売上高1500億円を目指していく計画を立てた。その上で、約500億円を戦略的投資枠とし、既存事業の周辺領域も含めたM&Aを行うほか、事業ポートフォリオ再構築も視野にいれていく。
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