ブリヂストンの1~12月期詳報 円高響き減収減益 原材料高は価格転嫁で対応

2017年02月24日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは2月17日、東京・南麻布の同社グローバル研修センターで、津谷正明CEO、西海和久COO、江藤彰洋CFOらが出席して決算説明会を開催した。

 2016年12月期の連結決算は、売上高は前期比12%減の3兆3370億円、営業利益は前期比13・1%減の4495億円、経常利益は前期比14・7%減の4325億円、純利益が前期比6・6%減の2655億円となった。

 タイヤ事業については、日本の新車用・補修用需要は前年並みを確保した。一方、北米、欧州、アジアでは、新車用は北米が下回ったが、その他地域は横ばいとなり、補修用ではアジアが若干落ち込んだものの、その他地域は堅調だった。

 為替に関しては、通期で1ドル109円、1ユーロ120円と前年と比較し円高で推移した。原材料価格は、上期・下期を通じて低レベルで動いたが、下期で特に第4四半期に入り原材料価格が上昇した。

 また、営業利益については、原材料市況連動性契約などによる売値の低下、チャネル強化など戦略的施策に伴う販管費増で減益要因はあったものの、原材料価格の低下や乗用車用ランフラットタイヤをはじめとする戦略商品の販売増などが増益要因となった。その結果、営業利益は前年に対し減益だが、為替の影響などを除くと若干増益となっている。

 所在地別セグメント別業績て、日本では、スノータイヤを含めた一般タイヤ販売本数は堅調だったが、建設・鉱山向けビジネスの回復の鈍化や為替などの影響もあり、前年を下回った。
 米州についても、為替円高の影響やトラック・バス用の需要環境が厳しかった。ただし、原材料価格のメリットや化工費の改善などにより、コスト改善した結果、為替の影響を除くと前年比増益となった。その他の地域は、2016年からタイヤ事業SBUの再編に伴い、欧州のセグメントに中近東やアフリカを加えた。

 多角化部門では、売上高が5857億1100万円で同7・8%減となり、営業利益は国内事業の利益減少の影響により348億1900万円で同21・8減%となった。

 原材料価格の上昇について、津谷CEOは昨年の第4四半期から顕著になっており、天然ゴムを始めとして高値が続いているとし「価格対応は適切にする必要がある。ただ、この状態も一時的であり落ち着いてくる」と見解を述べた。また、西海COOは原材料価格の高騰で、北米では3月から値上げを計画していることを明らかにし、「米国は各市場状況を見つつ、日本国内も市況を判断しながら価格対応していく」との方向性を示した。

 17年通期の連結業績は、売上高が3兆6300億円で同8・8%増、営業利益は4520億円で同0・5%増、経常利益は4330億円で同0・1%増、当期純利益は2800億円で同5・4%増の予想となっている。

 売上高については、原材料価格の上昇を踏まえた適切な値上げを見込んだ上で、各市場で戦略に基づき売値ミックスの改善や数量増、ランフラットタイヤなどの戦略商品の拡販などにより増収を見込んでおり、営業利益面でも増益を計画している。
 また、セグメント別では、タイヤ部門の新車用については、日本を抜かした北米と欧州はやや微減を計画しているが、アジアでは中国で小型車向けの減税幅が縮小する影響で若干のマイナスを見込んでいる。一方、補修用は日本、北米、欧州は横ばいとし、アジアは需要増を目指していく。
 部門別では、タイヤ部門は売上高3兆400億円で同10%増、営業利益4170億円で同1%増、多角化部門は売上高6000億円で同2%増、営業利益が350億円で同1%増を見込んでいる。
 17年の投資額は3000億円で、内訳はタイヤが部門が26740億円、多角化部門が260億円としている。同社は中期経営計画に沿った上で、今期の投資については、過去から継続する案件のほか、航空機用タイヤビジネスの地域事業拡大、東京都小平市の開発・生産拠点の再構築などを計画している。

 

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