タイヤメーカー4社がこのほど発表した16年12月期決算で、工業用品などを主体とする非タイヤ部門は、売上が各社とも前年同期実績を下回った。利益面では、産業品他事業で経費の抑制などが寄与した住友ゴム工業を除き、3社が減益となった。為替の影響や資源関連商品の需要減、国内市場の低迷などが減収減益の要因と見られる。
◇ブリヂストン
ブリヂストンの非タイヤ事業である多角化部門は、ベルト、ホース、インフラなどを含む化工品事業に、スポーツ用品、自転車などを加えたセグメント。
16年12月期決算の多角化部門では、為替円高が売上および利益項目の減少に影響し、売上高は5857億円で前期比8%減となった。営業利益は国内事業における利益減少の影響により、348億円で同22%減となり、減収減益となった。全売上高に占める多角化部門の割合は17・5%で、前期(16・7%)に比べ0・8ポイント上昇した。
来期の予想では、多角化事業の売上高は6000億円で前期比2%増、営業利益は350億円で同1%増、営業利益率は5・8%を見込んでいる。
◇住友ゴム工業
住友ゴム工業の非タイヤ事業は、スポーツ事業および産業品他事業から成っている。同社では今期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しており、16年12月期非タイヤ事業の合計売上収益は1082億5100万円で同6・9%減、事業利益69億7600万円で同47・0%増となり、減収増益となった。全売上高に占める非タイヤ事業の割合は14・3%で前期(14・6%)に比べ0・3ポイント下落した。
そのうちスポーツ事業の売上収益は、727億7200万円で同6・4%減となったが、円高による仕入コストの減少などにより、事業利益は43億300万円で同63・3%増となった。
産業品他事業の売上収益は、