各社の生産能力増強も進む
スチレン系熱可塑性エラストマー製品の価格改定が相次いでいる。
昨年末からのナフサやブタジエン、スチレンモノマーなどの市況の上昇に対応、各社は製造コストが自助努力の範囲を超えて大幅に増加しているとし、旭化成が先陣を切り昨年12月出荷分から値上げを実施、次いで1月、2月出荷分からクレイトンポリマージャパン、クラレが相次いで値上げを実施した。
熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状に戻る性質を持つ熱可塑性エラストマー(TPE)は リサイクル性、軽量化、成形加工性に優れることから従来より架橋ゴム製品はじめ塩ビ製品からの代替えが進んできた。この中でもスチレン系TPEはオレフイン系、ウレタン系に並ぶ主要TPE。比較的低コストで、ゴムに近い弾性率を持っているのが特徴。
スチレン系(TPS)にはSBS、SIS、水添スチレン系熱可塑性エラストマーHSBC(SEBS、SEPS)などの種類があり、SBSはポリマー改質剤、アスファルト舗装材改質向けに、SISは粘着剤用途を中心に使用されている。SEBSはゴムに近い弾性を持ちながら、汎用プラスチック並みの容易さで成形できる素材として、自動車関連から電子材料、電器、食品・飲料、医療、玩具、雑貨などのコンパウンドはじめ、エンジニアリング樹脂改質剤、相容化剤として需要のすそ野を広げている。
スチレン系TPEのグローバル市場規模はSBSが