ＧｆＫジャパンは３月13日、全国のカー用品店、タイヤ専門店（メーカー系列を除く）、ガソリンスタンド、インターネットでの乗用車用冬タイヤの販売動向を発表した。
２０１６～17年の冬タイヤシーズン（16年９月～17年２月）の乗用車用冬タイヤ販売は、本数・金額ともに前年比７％増となった。
今シーズンは降雪地域を中心とした前シーズンの販売不調、14年に始まったエコカー減税時の新車購入者による履き替え需要、主要モデルの新旧の入れ替えに伴う値引き販売などから期待値が高かった。しかし、実際の商戦の滑り出しは低調だった。
週次の動向をみると、10月第４週までは多くの週で前年を下回り、９月第１週から10月第４週（９月５日～10月30日）の販売本数は、同５％減となった。冬タイヤ購入の始動が緩慢であるとされる軽自動車ユーザーが増加していることや、南東北などでは降雪が例年より遅く、また降雪日数も少なかったことがマイナスに作用した。
しかし、冬タイヤ販売がピークを迎える10月第５週から12月第２週（11月１日～12月18日）では、本数が同16％増と大きく前年を上回った。商戦前半は低調だった需要が集中し、一気に販売を牽引した。ただ、12月第３週からは再び前年を下回る週が増え、12月第３週から２月第４週（12月19日～３月３日）では本数が同３％減となった。
年明けの動向を地区別に見ると、関西以西では降雪により販売が好調に推移した一方、関東では記録的な降雪により需要が増加した前年には及ばず、マイナス成長となった。シーズンを通して見ると、関西以西は２桁成長となったが、関東・甲信越は微増、北海道～東海・北陸では横ばいで、シーズン前の見込み値には届かない販売店も多くあったようだ。
また今シーズンは、販売数量上位モデルによる寡占化の進展が見られた。複数の国内メーカーでは、冬タイヤの新製品発売に伴い、旧モデルの値頃感が高まった。こうした国内大手メーカーの旧モデルが売れ筋となり、販売を牽引した。
韓国市場と並び、日本のタイヤ市場では国内メーカーが支持される傾向にある。ＧｆＫが実施した消費者調査でも、冬タイヤでの国内メーカーのリピート購入意向は、海外メーカーに比べ20％以上高かった。これには、国内大手メーカーの製品力、軽自動車向けサイズなどでのラインナップの豊富さも影響している。
日本市場では、軽自動車という独自のスペックにタイヤメーカーは対応する必要があり、この対応の度合が市場シェアに影響する。日本市場のために特別なサイズ対応をするということは、グローバルという観点からは効率性を欠くため、日本で高いシェアを獲得している国内メーカーに比べると、海外メーカーの対応は限定されているのが実情と言える。
