独ランクセスは3月17日、2016年度通期の業績を発表した。
全部門における販売量の増加、それに関連した設備稼働率の向上、さらに、工場とプロセスの最適化によるコスト削減が主な要因となり、特別項目を除いたEBITDAは前年比12・4%増の9億9500万ユーロ(前年:8億8500万ユーロ)となった。
これにより、EBITDAは、前回の業績発表時における通期の業績予測範囲(9億6000万ユーロから10億ユーロ)の上限に近い結果となった。
また、グループの特別項目を除いたEBITDAマージンは23・9%(前年は11・2%)に増加。また純利益は前年比16・4%増と大幅増の1億9200万ユーロ(前年は1億6500万ユーロ)となった。
連結売上高は、前年比で微減の77億ユーロ(前年は79億ユーロ)となった。原料価格の低下に伴う製品価格の値下げが主な要因。
同社は2016年4月1日付けでサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社と合成ゴムの合弁会社アランセオを設立。8月末には、米国の化学会社ケマーズ社の衛生・消毒用特殊製品事業の買収完了、9月には、難燃剤および潤滑油添加剤の世界有数のサプライヤーである米国の特殊化学品会社ケムチュラ社の買収計画を発表した。
この2件の買収は、収益率の高い特殊化学品市場におけるランクセスのポジションを強化するとしている。