本紙はゴム企業とゴム関連企業に対し、17年度の新卒採用状況に関するアンケート調査を実施した。回答のあった26社の新卒採用者数は1143人。昨年も回答のあった22社の新卒採用者数は1124人で、昨年に比べ106人増えた。米国のトランプ政権の政策に不透明な部分はあるものの、国内の景気が回復の兆しを見せる中、グローバル化に対応するための人材確保もあって採用が増加したと見られる。また、女性の採用数は220人で22社の比較では23人増えている。
17年度の採用状況は、高卒の技術系・事務系を分けていない横浜ゴムの65人を除くと、技術系が820人、事務系は258人となった。最終学歴で見ると、大学院卒が342人、大卒が283人、短大・高専・専門学校卒が25人、高卒が493人。現業部門の技術系高卒者が最も多く、次に高度な専門知識を持つ大学院卒が多いという傾向は変わっていない。
採用に当たって重視した点については(3つまで選択)、事務系では「コミュニケーション能力」が19で最も多く、「積極性」(12)「協調性」(9)の次に「行動力」「意欲」が同数(7)で続いた。技術系も「コミュニケーション能力」(18)が最多で、次に「協調性」「創造性」「積極性」が同数(10)で並んだ。
事務系・技術系を問わず「コミュニケーション能力」が最多だったのは昨年と同じで、グローバル展開を進める中で、コミュニケーション能力がこれまで以上に重要になっているためと言えるかもしれない。
また、若い世代でラインなどでのやり取りが増え、直接的な会話や仲間以外の他者との対話などが減少していることに、企業が不安を感じていることを反映しているとも言える。
「創造性」が技術系で上位に来ているのは、新興国メーカーが台頭してきた中で、従来にもまして新しい製品や製法などを開発していくことが、日本企業には求められるようになっているということだろう。
昨年4月の女性活躍推進法の施行を受けて、今年度の女性の採用については「進んでいる」と答えた企業が