EPDM、CRの販売増加
S-SBR ゼオン・住化が新会社
合成ゴム各社の製品価格の値上げが相次いでいる。需給バランスの変動を起因とした原料ブタジエン価格の急騰、円安進行・原油高を背景とした国産ナフサ関連原料の価格上昇に対応するため合成ゴム各社が値上げに踏み切った。
合成ゴムの製品価格改定については、各社は原料価格フォーミュラで対応しているが、昨年末からの主原料のブタジエン価格急騰とフォーミュラでの価格改定時とのタイムラグが生じるため、フォーミュラ適用外の顧客に対してもブタジエン価格上昇分に見合う値上げをすでに実施している。
輸出比率の高いCR(クロロプレンゴム)については、海外市場での価格改定が先行し、海外では2次、3次値上げに踏み切っている。
16年 工業用ゴム製品向け需要拡大
一方、日本ゴム工業会が経産省統計に基づき先にまとめた2016年の合成ゴム出荷実績によると、輸出出荷が微増で推移したものの、国内ゴム工業向けのタイヤ出荷の落ち込みが響き総出荷量は164万7408t(CR、IIR含む、本紙算出)、前年比100・9%の横ばいとなった。
ゴム工業向けは主力の自動車タイヤ・チューブが41万9600tで同8・0%減だったが、自動車用ゴム部品を中心とする工業品向けは11万551tで同8・3%増、防舷材、手袋、医療用品のその他向けは8万4257tで同7・5%増と伸長。品種別ではEPDM、IIRが2桁増となった。