昭和電線ホールディングスグループの昭和電線デバイステクノロジーは9月20日、相模原事業所で会見を行い、建築用免震デバイスの生産を強化すると発表した。
相模原事業所(神奈川県相模原市)に約10億円の設備投資を行い、2012年までに生産能力を現状の2倍まで拡大し、生産リードタイムも50%短縮する。
11年度には35億円、12年度には50億円と10年度の21億円から2倍以上の売上を目指す。
投資総額10億円の半分5億円を金属加工設備、金型を含むゴム成型設備に投資する。その他、金型サイズの大サイズ化、付帯設備、製品倉庫、試験機改修を行い、12年初までに順次稼働させる。
岡本武雄社長は「東日本大震災でも効果が確認され、需要の急増が見込まれている。免震デバイスメーカーとしての供給責任を果たすため増強を決めた」と方針を明らかにした。
震災後、免震マンションの建設も増加しており、免震建物普及率もまだ1%未満であることから、今後さらなる市場の拡大が見込まれている。
同社は、国内免震デバイス分野では4割近いシェアを持つトップメーカーの一つ。製品には「天然ゴム系積層ゴムアイソレーター」、「弾性すべり支承」、環境に配慮した「錫プラグ入り積層ゴムアイソレーター」があり、官庁や自治体、病院、マンションなどに多くの納入実績がある。