日本ゼオン㈱ は富山県氷見市 の工場に、大型 液晶画面対応「斜め延伸 位相差フィルム」の製造 の新設備を完成させ、量 産を開始する。
同フィルムは同社独自 の技術で開発・生産して きたもので、中小型液晶 製品向けの光反射防止フ ィルムとして採用が拡大 してきたが、中小型液晶 ―3Dテレビでは、専用 のメガネをかけ正面水平 の位置で鑑賞する方式が 中心であり、傾けて見る と画像が暗くなる難点が あった。
同社はこの問題を解決 できる光学性能を持つ大 型画面向けの同フィルム を供給することで、より 良い3D画像の供給に貢 献していくという。今後 3Dテレビの市場は20 14年には 40 インチ以上 のテレビの4割近くが3 D仕様になると見込ま れ、早期市場参入で高シ ェアーを獲得していく。
また同フィルムは大型 化の開発が進んでいる有 機ELのTFT基板の光 反射防止用偏光板のベー スフィルムとして活用で きるものであり、需要の 拡大が見込まれる。
今回の新設備稼働によ り、中小型液晶―3Dテ レビにとって必要不可欠 となる同フィルムを供給 するため、本格的な量産 体制となる。生産能力は 年間1500万平方メー トル、投資総額は約 50 億 円となる。