バイエル 日本市場で積極投資 売上高3千億円目指す

2011年10月11日

ゴムタイムス社
マライン・デッカーズ社長(中央)

マライン・デッカーズ社長(中央)

 日本のバイエルが100周年を迎えたことを記念して、独バイエル社のマライン・デッカーズ社長が来日、10月5日、都内で記者会見した。デッカーズ社長は「東日本大震災後の困難な状況にあるが、今後も日本市場は継続して売上げを伸ばすことを計画している。日本はバイエルにとって、世界で最も魅力的な市場の一つである」と、日本市場での積極攻勢を示した。
 バイエル社の本年上期の日本における売上高は10億ユーロを超え、為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後の増収率は前年同期比4・6%となった。2010年通年の売上高は約20億ユーロとなった。

 デッカーズ社長は「大きく変化する市場環境を考慮した上で、更なる成長が見込め、今後5年間で年平均約6%の成長を予測、2015年の売上高は約3000億円まで引き上げる計画」と語った。日本での研究開発費は引き続き高水準を維持し、今後5年間の研究開発費は合計で5億ユーロ強になると述べた。
 同社のイノベーションは、市場ニーズにフォーカスした戦略をとり、ヘルスケア事業、農薬関連事業、素材科学事業の3つのカテゴリーで推進する。
 素材科学事業グループでは、建築・断熱用の高機能素材に対する需要が震災後に増加していることや自動車生産の状況が回復してきたこともあり、好調に推移しており、先端素材の新たな応用や製造工程の最適化などを行う。
 具体的な製品展開では継ぎ目がなく、効果的な住宅断熱を実現するポリウレタンスプレー断熱材「BAYSEAL」、ソーラーモジュール用枠材、電子封止材、セルカバー材およびポリカーボネート製の各種ポリウレタン製品、断熱も兼ねた太陽熱集熱器「MAKROLON」、気泡サイズのナノ化により断熱性能を高めた「ポリウレタンナノフォーム」などがある。
 なお本年は、バイエルが日本法人を設立してから100周年にあたる。

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