帝人化成 中国企業に製造・販売委託 ポリカーボネート樹脂シートで

2011年10月18日

ゴムタイムス社

 帝人化成㈱(酒井和幸社長)は12日、中国におけるポリカーボネート(PC)樹脂「パンライト」シートの製造・販売を、現地のPC樹脂シートメーカー「綿阳龍華薄膜有限公司(中国・四川省綿阳市、以下(龍華社)」および「蘇州奥美光学材料有限公司(中国・江蘇省蘇州市、以下(奥美社)」の2社に委託する提携契約を結んだと発表した。
 同社は日本・中国・シンガポールに「パンライト」および加工品の製造拠点を持ち、グローバルに事業展開しているが、この契約により「パンライト」に独自の組成開発技術を用いて製造した特殊原料および高品質の薄型シートを生産するための製膜技術などを龍華社と奥美社に供与し、両社が「パンライト」の商標を冠する高品質なPC樹脂シートを中国で製造・販売する。
  これまで同社は、松山工場(愛媛県松山市)で「パンライト」をシート加工し、世界各国に向けて販売してきたが、今回の現地シートメーカーとの提携により、最大の注力市場である中国の顧客に対し、新たな設備投資を伴うことなく、より迅速に、コスト競争力をもって製品を供給する体制が整うことになる。
 同社はこの取り組みの第一弾として、龍華社に液晶テレビの電源ユニットを覆うための絶縁シート、奥美社に自動車用計器の文字盤の生産・販売をそれぞれ委託する。
 今後、順次取り組みを拡大していくことで、数年後には中国で年間2~3万トンの「パンライト」シートの販売を目指す。
 中国のPC樹脂シート市場は現在約15~17万トン/年の規模(同社推定)だが、エレクトロニクス用途や自動車用途に向けて需要が急速に拡大しており、今後も年率約10%の成長が見込まれるという。
 「パンライト」シートは透明性・耐衝撃性・耐熱性などの特長を持つPC樹脂「パンライト」を薄いシート状に加工したもの。拡散板などの液晶部材、自動車用計器文字盤、銘板などに使われている。

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