日精樹脂 電動射出成形機「NEX」がモデルチェンジ 可塑化性能を向上

2011年10月18日

ゴムタイムス社

 

NEX110Ⅲ-9EG

  日精樹脂工業㈱は、電気式射出成形機「NEX」シリーズをモデルチェンジすると発表した。 今回モデルチェンジするのは、型締力294kN(30トン)~1765kN(180トン)までの小・中型成形機6機種。
 新モデルには、可塑化装置(射出装置)のリニューアルならびに新コントローラ「TACTⅣ」を搭載した。
 新可塑化装置では、成形品の不良率低減を目的に、加熱筒温度制御ゾーンの細分化・最適化などの新設計により、可塑化性能の向上を図った。
 これにより、省エネルギー新設計のノズル・加熱筒における熱伝導の効率がアップすることから、昇温時間が25%短縮し、消費電力を8%削減できた。成形安定性の向上では、成形立上げ時に発生しやすい樹脂温度のドリフト(バラツキ)を解消できるほか、PBT(非強化)、LCP、PA66、PCTA樹脂における可塑化の安定、PP樹脂における可塑化能力アップなど、様々な成形材料で優れた効果を発揮、不良率の低減、歩留まりの向上、生産性アップに繋がった。また可塑化時間の短縮については、後部ヒータを2ゾーン制御(細分化)としたことで、可塑化時間の短縮を図ることができた。さらに新シリーズでは、射出圧力の高圧化、射出速度の高速化など基本スペックの向上を実現しているほか、射出装置2EG~12EGでは、さらなる精密安定成形を実現する高精度仕様を選択できるなどオプション仕様の充実も向上した。
 新コントローラ「TACTⅣ」は、画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトの搭載により作業性・操作性が向上しているほか、品質・生産管理機能の強化も図った。
 操作パネルはフラットシート設計とし、シートスイッチ方式を採用し、画面は15インチLCDの縦長配置で、上下に2画面を表示できるなど、優れた視認性・操作性を訴求した。またこれまで熟練技能者に頼っていた歩留まりを向上させるための成形条件設定を自動化・簡略化することで、「らくらく設定」により不良率の低減を実現した。 価格は、型締力30トンの「NEX30Ⅲー2EG」が810万円(税別)、型締力180トンの「NEX180Ⅲ―36E」が1460万円(税別)。今回の6機種で年間約880台の販売を目指す。
 新モデルは、10月25日から幕張メッセで開催される「IPF2011」に出展もする。

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