NOKは4月18日、横浜国立大学大学院工学研究院加藤龍研究室と共同で「筋電義手の筋電位検出の安定化に関する研究」を開始したと発表した。
「筋電義手」は表面筋電位の出力量・パターンによって動作や制御を行うことができる義手で、筋電位を読み取るために「筋電センサー」が使われる。NOKでは従来から医療分野などに向けて、生体信号用ゴム電極の提案を行っており、同研究は、生体信号用ゴム電極を筋電センサーに活用するための応用研究。
筋電義手では、モーターを動かすためのスイッチとして表面筋電位を使用する。表面筋電位は、皮膚に接した電極を通じて筋電センサーが読み取る。表面筋電位の信号特徴が、予め登録された手指動作ごとの特徴と一致すると、筋電義手が動作する構造となっている。
同研究では、生体信号用ゴム電極を筋電位の検出部位に容易に装着・固定でき、筋電位を長時間安定して読み取ることが可能な、ウェアラブルに適したセンサーユニットの開発を目指している。
また、生体信号用ゴム電極は導電性のゴムを用いた電極で、脳波、眼電位、筋電位、心電位などの生体信号を測定することができる。
NOKでは配合技術等の開発により、従来のドライ電極では実現が難しかったノイズ低減、早期安定化、親水化の特性を付与した。これにより、生体信号を測定しにくい乾燥肌での測定機能が改善した。