ランクセスの2017年度の活動に関する記者説明会で、辻英男社長は独ランクセスの16年度の業績に触れ、その中で合成ゴム部門の「アランセオ」の現状について「強い価格プレッシャーを受けている」と述べた。
16年度の売上高は前年比3%減だった。その要因として、辻社長は「一昨年から続いているナフサと原油価格低下に伴う、製品転嫁の減少によるものだ」と説明した。
販売数量は全部門で増加し4%増加したものの、販売価格の低下を補うことができなったという。営業利益であるEBITDAについては同12%増となった。
部門別では、アドバンスト中間体部門は製品価格の低下で販売額が減少した結果、営業利益が減少した。ただし、マージン率は18・7%という高率を維持している。
顔料や添加剤などのパフォーマンスケミカルズ部門は、全ビジネスユニットで販売数量増となった。販売額も増加し、営業利益・マージ率ともに大きく上昇した。
樹脂製品を扱うハイパフォーマンスマテリアルズ部門は、ポートフォリオが高収益率品に移行した結果、売上・販売数量とも増加した。
アランセオについては、販売数量は増加したものの、原料価格が下がったことで販売価格が低下した。辻社長は「価格プレッシャーが強い中で販売額が減り、営業利益も微減となった」と述べるとともに、合成ゴムをめぐる状況の厳しさが継続していることを示していた。
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