「MEDTEC Japan 2017」開催 ゴム関連企業も注力製品など紹介

2017年04月24日

ゴムタイムス社

 医療機器の設計・製造に関するアジア最大の展示会「MEDTEC Japan 2017」が4月19~21日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催され、ゴム関連企業も多数出展した。

 ◆日本ゼオン
 日本ゼオンは、熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマーを用いたマイクロ流路チップ製品を中心とする試作受託サービス事業と、大阪府立大学と共同開発中の抗原抗体反応を使った病気簡易診断キットのマーケティングを目的に出展した。

 試作受託サービスは、樹脂製マイクロ流路チップなどの試作品の成形加工を行うもの。基板の成形から流路切削加工、接合までワンストップで受託することで、低コスト・短納期・小ロットでのサンプル製作を実現する。ブースではサンプルを展示した。

 一方、病気簡易診断キットは機械を使わずに病気の診断ができる。一目で分かる見やすさをPRしていた。

 ◆東レ・ダウコウニーング
 東レ・ダウコーニングは昨年発売した液状シリコーンゴム「QP1―2XX」シリーズ(XXには30、40、50、60、70が入る)、今年発売のメディカルグレードのシリコーンを使った金型離型剤、メディカル用シリコーン粘着剤などを紹介した。

 QP1―2XXシリーズは粘度が低いことから、フィード量が多く、精密な金型の隅々まで行き渡る。また、透明性が高いことも特長だ。メディカルグレードの金型離型剤は、粘度が高いことで離型性に優れている。

 メディカル用シリコーン粘着剤は創傷ケア用途などで使われる。傷口に癒着せず、はがしやすい上に、皮膚表面に粘着剤が残らないなどの特長がある。

 ◆NOK/日本メクトロン
 NOKは子会社の日本メクトロンとともに、各種高機能ゴム製品やFPC(フレキシブル基板)の用途例などを展示した。

 NOKは医療分野などに生体信号用ゴム電極の提案を行っている。ブースでは、その用途例として「脳波用ゴム電極」を紹介。柔軟に頭皮に密着するためペースト不要で、ドライ測定が可能なこと、装着時の痛みが少ないことなどをPRした。

 日本メクトロンが注力しているFPCは、柔軟性のある回路基板で、薄くて軽く、耐久性も高い。用途例の一つとして、使い捨ての「生体センサシート」を展示した。

 また、FPCとNOKのシール製品で培った成技術によるハイブリッドFPCも訴求していた。

 ◆朝日ラバー
 朝日ラバーは超薄膜シリコーンシート、低摺動性コーティングを行ったプレフィルドシリンジ用ガスケット、PTFEラミネートシールを紹介した。いずれも独自の分子接着・接合技術を活用した開発品だ。

 超薄膜シリコーンシートは、無溶剤で15μmの成形が行えるのが特徴。ガス透過性が高いことから、細胞培養容器のふたなどでの利用が考えられる。

 プレフィルドシリンジ用ガスケットには低毒性の塩素化ブチルゴムが使われているが、着脱を容易にするためシリコーンオイルを使用している。低摺動性コーティングを行うことでオイルを不要にした。

 PTFEラミネートシールは接着剤を使わずに、ゴムにフッ素フィルムを接着したものだ。

 ◆フコク物産
 フコク物産はPDMS(シリコーンゴム)流路の量産化技術と、複数の大学とのPDMS流路の共同研究を紹介した。

 PDMSは石英に匹敵する透明度を持ち、自家蛍光性が低いことから、蛍光反応を利用して分析を行う用途の基板に適している。

 同社では、微細加工した金型を使ってインジェクション成形することで、製品寸法の精度を出しつつ、注入孔など形状のバリエーションを付与。さらに、数万~数百万個/月の生産・供給も可能にした。

 大学との共同研究のうち、横浜国立大学の馬場研究室とは、ナノレーザを使ったバイオセンシングの研究を行っている。

 ◆コベストロジャパン
 ポリウレタンとポリカーボネート、スペシャリティの各事業を展開しているコベストロジャパンは、ウェアブル機器への応用を中心に、医療用ポリウレタン原料「バイオメディックス」の各グレードを紹介した。

 ウェアラブル機器向けに最適なのが、メカニカルフォーム用ポリウレタン水分散体原料「FD103」である。

 熱可塑性で、薄くすることや形状変更が必要なフォーム・パッチの製造に適していることから、センサーを埋め込むなどの応用が可能となっている。

 また、バイオメディックス以外の製品として高性能医療フィルム「プラチロン」をPRしていた。

 ◆日進ゴム
 日進ゴムは滅菌処理(オートクレーブ)対応の素材を使用した耐滑性シートと、特許取得済みの高耐滑ゴムシート「ハイパーV」を使用したOEM製品などを紹介した。

 オートクレーブ対応耐滑素材を使った製品としては、医療用ミトンや医療用シューズの靴底などを展示した。

 医療用ミトンは血液が付着するので本来は使い捨てだが、同社の耐滑性シートを使った製品は滅菌処理ができるため、繰り返し使用することができる。

 また、厚さ0・5mmのオートクレーブシートを展示したところ、予想以上に問い合わせが多かったことから、用途開拓のための情報収集に注力していた。

 ◆ニチアス
 シール技術や断熱技術など6つの要素技術を軸に工業製品や高機能製品などを製造するニチアスは、多様なフッ素樹脂チューブを中心に、フッ素樹脂射出成型品やゴム加工品などを紹介した。

 フッ素樹脂チューブは、

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