信越ポリマーの2017年3月期連結決算は、売上高が739億7900万円で前期比1・4%減、営業利益は55億1100万円で同34・4%増、経常利益は59億3400万円で同30・9%増、当期純利益は42億3000万円で同34・2%増となった。
セグメント別では、電子デバイス事業は自動車関連入力デバイスの出荷は好調だったが、円高の影響などにより、全体として売り上げ・利益とも前年度を下回った。
入力デバイスは自動車電装スイッチの種類が増加したことに加え、搭載車種も拡大し、キースイッチとタッチスイッチの出荷が好調に推移。一方、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、パソコン市場停滞の影響などにより大きく落ち込んだ。
ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターの回復が弱く、視野角制御フィルムのATM用途も伸び悩んだ。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターが高級スマートフォンの生産調整の影響などにより低調だった。
この結果、電子デバイス事業の売上高は186億4400万円で同6・5%減、営業利益は11億8200万円で同6・8%減となった。
精密成形品事業では、半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として売り上げは前年度を上回り、利益が大幅に伸長した。
半導体関連容器は半導体業界の高水準な需要を背景に、主力の300mmウエハー用製品を中心に年間を通じて好調に推移した。OA機器用部品は、円高の影響やレーザープリンター市場低迷による主要ユーザー向け現像ローラーの出荷が減少し低調だった。
キャリアテープ関連製品は、自動車電装分野向けの需要が堅調だったが、微細部品用製品の販売は振るわなかった。シリコーンゴム成形品は、メディカル関連製品や建材関連製品など主力製品の出荷が安定的に推移した。
この結果、精密成形品事業の売上高は310億7400万円で同2・3%増、営業利益は45億400万円で同24・7%増となった。
住環境・生活資材事業では不採算事業の整理に取り組んだが、塩ビ関連製品の国内市場での需要低迷と価格競争により、全体として売り上げは前年度を下回り、利益の改善は進まなかった。
ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向け、外食産業向け需要が低迷し、売り上げは前年並みに留まった。
塩ビパイプ関連製品は住宅着工戸数伸び悩みの中、シェアを拡大できず、出荷量が低調。機能性コンパウンドは自動車向けやロボットケーブル用の需要が徐々に回復した。
外装材関連製品は波板やシーラントの需要が伸び悩み、樹脂サイディング事業撤退による売上げが減少した。
この結果、住環境・生活資材事業の売上高は172億6900万円で同5・1%減、営業損失は1億1600万円(前期は3900万円の損失)となった。
その他については、工事関連は首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件の受注を安定して獲得し、全体として売り上げは前年度を上回った。
なお、報告セグメントに含まれない新規事業開発関連はその他に含めている。
この結果、その他の売上高は69億9100万円で同7・2%増、営業損失は5800万円(前期は7億4000万円の損失となった。
18年3月期の連結業績予想については、現時点では合理的な業績予想の算定が困難であるとして、公表していない。