日本ゼオンの田中公章社長は4月28日に開催された決算説明会の中で、今年度を初年度とする新中期経営計画「SZ―20フェーズⅢ」を発表した。
20年度の連結売上高を5000億円以上とする従来の目標は変更せず、中計のビジョンに新たに「ソリューション」の文言を盛り込んだ。
ソリューションの例としては、全社戦略の1つとして示されており、これまで主に顧客とは「調達」の面でしか関わってこなかったが、今後は「企画」から「アフターサービス」まで全プロセスに関わって、ソリューションを提供していくということだ。
全社戦略では、このほか、重点開発領域を設定して新事業創出と新製品開発を加速することと、成長戦略を実現するための風土の育成を掲げた。
事業セグメント別戦略のうち、エラストマー素材事業では、S―SBRに関して住友化学との合弁会社「ZSエラストマー」設立により、技術・生産のシナジー効果で世界のリーディングポジションを目指す方針を示した。
特殊ゴムについては、技術サービスを強化するため「ATSL(アジア技術サポートラボラトリー)」をシンガポールに開設。内燃機関搭載車の成長が見込まれるアセアンとインドをカバーする拠点として、