アジア最大のゴム・プラスチック展示会「チャイナプラス2011」の視察を中心とした本紙ゴムタイムス社主催の中国ゴム技術視察団の研修が5月16 日から19日までの4日間にわたり実施された。視察団は5月17日に「チャイナプラス2011」展示会を見学、18日に中国広州の工業用ゴムメーカー「世 達密封実業有限公司」を視察し、実り多い成果を修めた。「チャイナプラス2011」には、約18万平方メートルの展示面積に機械、化学品・原材料メーカー など2200社が出展、8万人以上が来場した。
出展範囲は補助設備および試験装置ゾーン、化学品および原材料ゾーン、金型・鋳型ゾーン、プラスチック包装設備およびブロー成形機ゾーン、射出成形機ゾー ン、押出成形機ゾーン、その他加工機械ゾーン、半製品ゾーン、中国輸出機械および原材料ゾーン、ゴム機器ゾーンなど12のテーマに分類されている。
日本からも中国、アジアを重要な市場ととらえ、一層の拡販、顧客の新規開拓に向け、高機能付加価値製品をアピールすべく化学・原材料メーカーを中心に、欧米メーカーとともに多数が出展した。
本誌関連企業では、シーアイ化成、ダウケミカル、三井化学、住友化学、宇部興産、BASF、帝人化成、三菱化学、三菱樹脂、ランクセス、ダイキン、キャボット、日東、日本磐石などが出展した。
「世達密封実業有限公司」
5月18日午後、世達密封実業有限公司(広州市沙河痩狗嶺路、揚文平董事長)を訪問。同社はオイルシールなどの製造を専門とする世達集団(Star Group)の中核企業であり、計6社でグループを形成している。同集団は1991年設立、今年創立20周年を迎える。現在の資本金は7000万元、固 定資産は2・5億万元、従業員は1000人。ERPシステムで生産管理等のレベルを向上させている。 グループ工場・営業所は広州を中心に上海、南京、武 漢などにある。生産品目はOリング、オイルシールなどの各種パッキン類。主要取引先は、日本企業では鬼怒川ゴム工業、広州本田、東風本田、日野自動車等、 欧米ではキャタピラー、GE、スタンダード、ボッシュなどがある。
10年の売上高は、グループ全体で1億9500万元。内訳は自動車向けが53%、家電向けが21%、機械向けが13%、その他向けが13%。11年は3億 元の売上を目指している。揚文平董事長は「日本からの視察団を心から歓迎する。当集団は創立20年を迎え、年々売上げを伸ばしている。15年には20億 元、20年には50億元の売上げを目指す。これまで日本企業に100名以上派遣して技術を学んだ。ぜひ広州に進出して欲しい。お手伝いできる」と語った。
その後の質疑応答では金型や既製品、半導体、中国製機械についてなどの質問がなされた。
また、同行した中国ゴム工業協会の侯主任は、「これを機に両国ゴム産業の交流を密にし、活発にしていきたい」と挨拶、「原料不足等で、困ったことがあれば協会に連絡をして欲しい」と話した。
▽中国ゴム工業協会▽住所=北京市朝?区▽電話=010―84924091▽HP―WWW・cria・org・cn
展示会詳報はフォトニュースで。