ゴム射出成形機のパイオニアである松田製作所(埼玉県久喜市、鈴木康三社長)は、長年培った確かな技術で国内外のシェアを着実に伸ばしている。
前期(17年3月期)の需要動向は、輸出比率が為替の影響などにより高くなり、国内外販売比率は海外が6割、国内が4割となった。特にメキシコの動きが良く、ここ数年経済が低迷していた中国も昨年秋ごろから需要が上向いてきた。そのほか、東南アジアについては、タイやインドネシアが依然として低迷しているものの、ベトナムへの輸出は堅調だった。
一方、国内は更新需要があったが、ものづくり補助金などの採択率も下がったため、昨年比では若干落ち込んだ。国内需要が落ち込んだ分を海外でカバーした結果、売上高は前期比ほぼ横ばいとなった。
今期の上半期については、前期に引き続きメキシコをはじめ、中国、ベトナムの需要があり、国内の動きも活発化してきたほか、試験機関連の大きな受注があり、通期は増収増益を計画している。
今期はグループ内で策定した第2期3ヵ年中計の最終年度に入っており、①海外市場(特に北中米)の奪回に注力する、②試験機・検査機の拡販を図る、③引き続き射出成形機の開発を進める、という3つのビジョンを掲げてきた。
同中計の成果のひとつが、近年、相次いで上市してきた作業効率を向上させた低床型の射出成形機「XJシリーズ」や不良率低減に寄与する真空射出成形機「VS3シリーズ」だ。
XJシリーズについては国内外で