東海カーボンの1~3月期 カー黒好調で営業益が3倍に

2017年05月10日

ゴムタイムス社

 東海カーボンの2017年12月期第1四半期連結決算は、売上高が241億400万円で前年同期比6・5%増、営業利益は17億8100万円で同219・3%増、経常利益は20億1400万円で同282・6%増、四半期純利益は16億400万円(前年同期は3600万円)の増収増益となった。

 カーボンブラック事業部門は、販売量増加と、それに伴う稼働率向上などが売り上げ・営業利益に寄与したことで、売上高が同19・6%増の113億4400万円、営業利益は同32・4%増の14億70900万円となった。

 黒鉛電極事業部門は、黒鉛電極の構造的な需給不均衡により、前年同期比で販売価格が下落した結果、売上高が同7・0%減の51億3600万円、営業利益は同18・8%減の1億4400万円となった。

 ファインカーボン事業部門では、特殊炭素用黒鉛材の供給能力は依然として需要を上回っているものの、一般産業用市場は堅調に推移。太陽電池・半導体市場が回復傾向となっており、市場価格の下落には底打ち感が見られる。

 さらに「構造改革」の一環として、同事業部門で昨年実施した要員削減を含む生産能力合理化の効果が現出しつつあり、前年同期に比べて収益が改善された。

 この結果、同事業部門の売上高は同1・2%減の33億9400万円、営業利益は4700万円(前年同期は8億400万円の営業損失)となった。

 工業炉及び関連製品事業部門のうち、工業炉の売上高は主要な需要先である情報技術関連業界向けが前年同期並みに推移したが、中国での販売が一時的に減少した。

 発熱体その他製品の売上高は、耐火物の需要減があったものの、電子部品業界向けとガラス業界向けの需要、中国の電力インフラ向けが堅調に推移した。

 これにより、同事業部門の売上高は同2・7%減の12億700万円、営業利益は同29・0%増の1億9500万円となった。

 その他事業部門では、摩擦材の売上高は、建設機械向けが油圧ショベルの中国市場回復など、農業機械向けは北米向けトラクターの増産などにより伸長。摩擦材の売上高は同5・6%増の20億3300万円となった。

 リチウムイオン二次電池用負極材の売上高は、販売数量が客先の生産調整により減少したため、同6・1%減の9億3000万円。不動産賃貸などその他の売上高は、同42・7%増の5800万円となった。

 以上により、同事業部門の売上高は同2・2%増の30億2100万円、営業利益は前年同期比38・0%増の2億900万円となった。

 通期の連結業績予想については、売上高はカーボンブラックの販売量増加と価格上昇を主要因として、利益についてもカーボンブラックの増収効果と黒鉛電極のコスト削減などにより、当初予想を上回る見込みとなったことから、いずれも上方修正した。
 売上高は950億円で前期比7・2%増(当初予想比60億円増)、営業利益は67億で同492・1%増(同15億円増)、経常利益は78億円で同358・2%増(同17億円増)、当期純利益は82億円(同12億円増)を見込んでいる。

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