クラレの2017年12月期第1四半期連結決算は、売上高は1263億4200万円で前年同期比4・7%増、営業利益は217億7300万円で同27・1%増、経常利益は210億6600万円で同14・3%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は145億2900万円で同21・8%増となった。
同社は前連結会計年度において「活性炭事業」、「エネルギー材料事業」をその他セグメントに区分していたが、1月1日のクラレケミカルの吸収合併に伴い、同連結会計年度にはこれらの事業を「炭素材料事業」に統合し機能材料セグメントへ編入することとした。なお、同第1四半期連結累計期間の比較及び分析は、変更後のセグメント区分に基づいている。
ビニルアセテートセグメントの売上高は638億8600万円で同1・8%増、営業利益は173億9600万円で同21・7%増となった。
ポバール樹脂は米国市場を中心に販売量が増加し、好調に推移した。光学用ポバールフィルムは堅調な液晶パネル市場を背景に販売量が増加。水溶性ポバールフィルムは引き続き需要が旺盛な個包装洗剤用途を中心に好調。PVBフィルムは高付加価値品の拡販が進んだ。また、EVOH樹脂「エバール」は、食品包装用途、自動車ガソリンタンク用途ともに順調に拡大した。
イソプレンセグメントの売上高は141億4700万円で同11・6%増、営業利益は28億5800万円で同0・1%増となった。
イソプレン関連では、ファインケミカル、熱可塑性エラストマー「セプトン」、液状ゴムは数量が伸長し、順調に推移。なお、一部銘柄で原燃料価格高騰に合わせ価格調整を行った。
耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、自動車用途、コネクタ用途、LED反射板用途のいずれも数量が伸長したが、原燃料価格高騰の影響を受けた。
機能材料セグメントの売上高は180億6100万円で同3・5%増、営業利益は22億5900万円で同58・7%増となった。
メタクリルは、主に樹脂の数量が伸長したことに加え、市況の回復もあり好調に推移した。メディカルも、歯科材料の販売が好調に推移。また、炭素材料は、活性炭事業が堅調に推移した。人工皮革「クラリーノ」は、既存プロセス品ならびに新プロセス品ともに順調に推移した。
繊維セグメントはビニロンが原燃料価格高騰の影響を受けたが、数量が拡大したほか銘柄構成の改善などを実施し順調に推移した。また、生活資材も堅調に推移した結果、売上高は137億8400万円で同16・1%増、営業利益は15億1800万円で同38・4%増となった。
トレーディングでは、繊維関連事業はテキスタイル分野の一部用途を除き国内衣料販売の低調が続いたものの、産業資材分野は堅調に推移した。また、化学品関連事業はアジア向けの輸出を中心に順調に拡大。結果、売上高は310億9700万円で同8・2%増、営業利益は9億9200万円で同8・1%増となった。
通期の連結業績予想は、直近の公表値から上方修正を行い、売上高が5300億円で前期比9・2%増、営業利益が700億円で同3・2%増、経常利益が同680億円で同2・7%増、親会社株主に帰属する純利益が420億円で同4・0%増を見込んでいる。