宇部興産は5月11日、都内で決算説明会を開催し、藤井正幸グループCFOが2017年3月期連結決算の説明を行った。
売上高は6165億6300万円で前期比3・9%減、営業利益は349億6000万円で同15・6%減、経常利益は333億4800万円で同15・8%減、当期純利益は241億8500万円で26・6%増となった。
当期純利益については過去最高となり、藤井CFOはその要因として、前期はポリイミド事業やAET(張家港)などで減損損失を約119億円計上したのに対し、今期は減損損失が少なかったこと、M&Aに伴う特別利益があったことを挙げた。
売上高は金額ベースで約251億円の減収となった。その要因をセグメント別に見ると、化学セグメントのマイナス約83億円、建設資材セグメントのマイナス約101億円、エネルギー・環境セグメントのマイナス約92億円が大きかった。
それぞれの減収要因については、化学は競争激化によるナイロン樹脂販売価格の低下、国内需要減とアンモニア工場定修によるアンモニア販売価格の低下・販売数量減などが響いた。
建設資材はセメント輸出価格の低下と、セメント・生コン販売数量の減少が主な要因。エネルギー・環境では販売炭価格の低下に加え、上期に顧客の発電所の定修があったことで販売炭・預かり炭の数量減となったことが影響した。
営業利益は金額ベースで約64億円の減益。セグメント別では化学のマイナス約24億円、建設資材のマイナス約35億円が主な減益要因となった。
化学はアンモニア工場の定修による補修費の増加、第4四半期のブタジエン価格の急騰に