ミシュランの2017年12月期第1四半期決算は、グループ全体の売上高が55億6700万ユーロで前年同期比9・9%増、乗用車・ライトトラック用タイヤ事業が32億100万ユーロで同10・5%増、トラック用タイヤ事業が15億1800万ユーロで同6・1%増、特殊製品事業が8億4800万ユーロで同14・9%増となった。
第1四半期の販売量は、ディーラーによる価格引き上げにともなう駆け込み購入、鉱山用タイヤ販売の回復によって押し上げられ、7・3%増加した。
また、新品タイヤと顧客ニーズに沿ったサービス・ソリューションの成功、主に18インチ以上のプレミアムタイヤ・セグメントにおける31%の販売量成長を反映したプラスのミックス効果の二つの要因による急激な改善から、価格ミックス効果による売上高の減少は0・1%にとどまった。
通年では、タイヤ市場は昨年後半に見られたトレンドが続き、特に鉱山用タイヤ販売の増加が予想される。同社にとっては、価格引き上げに先立つ駆け込み需要により成長の大半が上半期に集中し、それによって下半期の利益率が改善する見込みだ。
一方、原材料コスト増が通年で約9億ユーロのマイナスの影響を与えると現在推計されていることを踏まえ、同社は価格連動制(スライド制)の対象となっていない事業でユニット別に適正なマージンを確保するため、引き続き価格管理を機敏に行っていく予定だ。このプロセスの一環として、すでに一部の市場で新たな価格引き上げが発表されている。
通年では、同社はグローバル市場トレンドに沿った販売量の成長と、昨年の数値以上の通常業務による営業利益(為替レート変動の影響を除外した場合)、9億ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフローという目標を維持している。