原料高で営業益は明暗
タイヤ4社の2017年12月期第1四半期連結決算が出揃った。国内のタイヤ販売は全般的に回復傾向にあり、海外では概ね好調だったことで、4社とも売上高はプラスとなった。営業利益については、原材料・素材価格高騰の影響を受けたブリヂストンと住友ゴム工業が減益となったが、横浜ゴムと東洋ゴム工業は増益となっている。
◇ブリヂストン
ブリヂストンの2017年12月期第1四半期連結決算は、売上高が8518億9300万円で前年同期比3・2%増、営業利益は1030億6000万円で同5・0%減、経常利益は968億8900万円で同6・4%減、四半期純利益は592億3900万円で同4・4%増となった。
国内外でタイヤ販売が好調だったことにより売上高は前年同期を上回ったものの、原材料価格高騰の影響などで営業・経常利益は減益となった。
タイヤ部門については、日本では乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数が前年同期を上回り順調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数も前年同期を上回り堅調に推移した。
米州では、北米タイヤ事業で乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数が前年同期並みに推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を上回り好調に推移した。
欧州では乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数が前年同期を上回り好調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数も前年同期を著しく上回った。
中国・アジア・大洋州では、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数が前年同期を大幅に上回り、トラック・バス用タイヤの販売本数も前年同期を著しく上回った。
特殊タイヤについては、建設・鉱山車両用ラジアルタイヤの販売量が前年同期を大幅に上回っている。
この結果、タイヤ部門の売上高は7079億円5800万円で同4・2%増となったが、原材料・素材価格の高騰を受け、営業利益は956億100万円で同4・8%減となった。
多角化部門は売上高が1474億600万円で同1・5%減となり、営業利益は国内事業の利益減少の影響により76億5000万円で同4・8%減となった。
◇住友ゴム
住友ゴム工業の2017年12月期第1四半期連結決算は、売上高が1920億7600万円で前年同期比7・7%増、事業利益は121億8800万円で同14・1%減、営業利益は118億3900万円で同12・2%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は85億6000万円で同4・6%増となった。
タイヤ事業については、タイヤ事業の売上収益は、1655億6700万円、同8・1%増、事業利益は100億7100万円、同22・6%
減となった。
国内市販用タイヤは、「ダンロップ」ブランドでは高付加価値商品の拡販に努め、「ファルケン」ブランドでは高性能タイヤの拡販を推進した結果、売上収益は前年同期を上回った。
国内新車用タイヤは、低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの拡販により販売数量が増加したため、売上収益は前年同期を上回った。
海外市販用タイヤは、景気の拡大が継続する北米を中心に販売数量が増加したことに加えて、当第1四半期に英国タイヤ販売会社を新たに取得したことによる英国市場での販売数量の増加により、売上収益は前年同期を上回った。
海外新車用タイヤは、中国での