住友ゴム工業は5月16日、タイヤの回転により発生する車輪速信号を解析することにより、路面の滑りやすさやタイヤにかかる荷重などの情報を検知するタイヤセンシング技術「SENSING CORE」を開発したと発表した。
新開発した「SENSING CORE」はタイヤ空気圧低下警報装置「DWS」で培った技術をベースに、それをさらに進化、発展させて生まれた技術で、追加のセンサーを必要とせず、既存の車輪速信号を使ってソフトウェアで検知するため、安価でメンテナンスフリーなのが特徴となっている。
当日開催された技術説明会で、執行役員オートモーティブシステム事業部長の吉岡哲彦氏は「自動車メーカーを初めとして、自動運転に向けた技術開発が活発になってきている」とし、「こうした動きの中、DWSを進化させ、走行中の路面の滑りやさやタイヤ1輪にかかる荷重を、ハードウエアなしでリアルタイムで検出する技術を開発した」と新技術を紹介した上で「今後、様々な事象、用途での拡大を考えている。こうした開発で今後の自動車技術の進化に貢献していきたい」と話した。
技術説明を行ったオートモーティブシステム事業部DWSビジネスチームの川崎裕章氏は、まず今回の技術のベースとなたDWSの概要について説明した。DWSは車両速信号を利用して、タイヤの空気圧低下を検知する独自技術で、車輪速信号から空気圧の低下を推定・検知する「間接式」を採用しているため、タイヤバルブなどに圧力センサを内蔵し、空気圧を直接計測する「直接式」と比べてソフトウエアのみで検知することなどから、安価でメンテナンスフリーというメリットがあるという。DWSは1988年に基本コンセプトが開発され、1997年に北米向け車両に初採用。累計搭載台数は2500万台になることが紹介された。
また、「自動車の安全にかかわる技術は、自己の被害を軽減する「エアバック」や「衝撃吸収ボディ」などのパッシブセーフティーから、事故の発生を回避し、さらに