主要上場ゴム企業の2017年3月期連結決算が出揃った(日東化工のみ非連結)。JSR・日本ゼオンの合成ゴム大手2社を含む22社の決算は、円高の影響で増収企業が前年同期の14社(64%)から10社(45%)に減少。利益面でも円高の影響もあり、営業増益企業数が17社(77%)から15社(68%)に減少した。増収営業増益企業数についても、11社(50%)から7社(32%)に減少しており、円高の影響の大きさを示している。
22社合計の売上高は3兆3003億8000万円で同一企業との前年同期比2・0%減、営業利益は2182億2000万円で同0・7%減、経常利益は2345億7500万円で同0・9%増、当期純利益は同1・6%増となった。
増収企業数は、前期に比べ4社減り、対象機企業の半数を割った。2015年の年間を通じて、1ドル120円前後で推移していた為替が、16年に入ると円高基調となり、8~9月には101円台にまで上昇した。10月以降は円安に振れ、今年1月には115円台にまで低下した。
その後は再び円安基調となっており、海外事業が好調で、現地通貨ベースでは増収になったものの、円換算で減収となる企業が多かった。
営業利益については、増益企業数が前期から2社減ったものの、7割近い企業が増益となった。為替の影響はあったものの、原材料であるナフサ・ブタジエン・天然ゴムの価格が低位で推移したことがプラスに作用した。
ただ、セグメントごとの好不調などもあり、全体として減益となった企業数も7社あり、前年同期に比べると2社増えた。
経常利益に関しては、為替の影響はあったものの、営業増益に伴い増益となった企業数は16社となり、前期に比べ4社増えている。
増収企業のうち、売上高が2桁増となったのは、相模ゴム工業(17・7%増)の1社に留まり、前期と変わらなかった。
営業利益では、相模ゴム工業(168・1%増)と朝日ラバー(100・0%増)が3桁増になったほか、日東化工(93・8%増)、昭和ホールディングス(57・3%増)、西川ゴム工業(41・7%増)など8社が2桁増となった。
3桁増の企業数は