豊田合成は5月18日、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(ASM)との間で、「e―ラバー」の主材料である「スライドリング・マテリアル」を、誘電アクチュエータと誘電センサ用途に限り、排他的に使用・販売できる、独占ライセンス契約を締結したと発表した。
誘電アクチュエータは、1990年代に米国にて研究開発が開始された。柔らかく、軽量・高出力、省エネルギーといった特徴から「電磁モーターに代わる次世代の動力源」として、ロボットの人工筋肉などへの適用を目指し、世界中で研究が行われてきた。
また、誘電センサも「柔らかさを活かした触覚・圧力センサやモーションセンサ」としての実用化が期待されつつも、アクチュエータ同様、内部摩擦や耐久性など、材料に起因する課題があった。
同社は、超分子構造のスライドリングマテリアルの活用と、高分子分野の専門メーカーとして自動車部品などの開発で培った材料設計技術により、これらの課題を打ち破る性能を獲得し、様々な領域での実用化を追究する段階に至った。
豊田合成とASMは、今回の独占ライセンス契約締結を機に一層連携し、少子・高齢化社会を支える次世代の各種ロボットや産業機器、自動車、IoTなどに対応した、新デバイスとしての実用化に向けて「e―ラバー」の開発を加速させていく。